2015年2月4日水曜日

【道路報告書】大分県道715号木田神崎線/戸保ノ木編

令和4年追記
この記事を書いたのは、私が中学二年生の頃になります。「ドライブ&ツーリングのネタ帳ORRの道路調査報告書」様の形式をモロパクリしていたり、所々青い部分が見え大変恥ずかしいですが、そこらへんの情状を酌量して読んでくださると幸いです。

【道路報告書】大分県道715号木田神崎線/戸保ノ木編

第2話/全3話

平成27年1月31日実施

大分県道715号木田神崎線/戸保ノ木編の解説書
旧世紀の雰囲気漂う大分県道715号木田神崎線に初めて訪れたのはつい先週のことだった。しかしその入口に掲げられてたのは『通行止』の立て看板。やむを得ず通らなかったが、まだまだr715のベールは全然拭いきれてない。
今回はリベンジ編。ご覧あれ。


 それは雨音が響く木曜日のことだった。
実力テストの4日前の話だ。
『実力テスト』という名前ではあるが、勉強をせず自分のありのままの実力で受けるべきテストという意味合いではない。受験に向けてそろそろ取り組む季節なので、僕にとって初めての実力テストは大事なものになる。
そのテストを数日後に控えた僕がそろそろ勉強を始めようとしたその瞬間、LINEにメッセージが届いた。

 LINEとはつくづく便利なもので、家にいながら同級生と連絡をとることが出来る。言葉のみのコミュニケーションだから危ない、と学校側は騒いではいるもののやはり便利だから仕方がない。
ただし、コミュニケーションといえども明日の時間割を聞いたりゲームの話をしたり、その程度である。だがその時送られてきたメッセージは少し調子が違った。

 メッセージを送ってきたのは先日r715調査に共に行った福水君。はてなんだろうと思い見ると、こう書かれていた。
「先日のr715のあの看板は嘘で、2月から通行止め。ゆえに1月までは通れる。 by大分県大分土木事務所」
といったものだ。どうやら、2月頭からr715で工事をやるらしくその為に通行禁止らしい。
ということは、直近でr715に行ける日は1月31日土曜日しか無い。だが、テスト勉強をしなくては……。

僕は答えた。「31日、行くか?」

 r715で工事と言ったらそれはおそらく旧世紀の遺構(というほどのものでは無いが)を破壊し、新しい小奇麗な道路にしたりトンネルにしたりするものだろう。
テスト前とはいえ、見なければならない。r715の現状を。そう使命感かなにかに駆られたのである。
とは言え僕の一存だけで決められるものではない。彼とて学生、テストを優先したいという気持ちはあるだろう。すると、返事が。
「もちろん!」
杞憂だったようだ。

ところで、前回貼り付けた動画(これ)の中で最後に、福水君が「また来週!」と間違って言ってしまっていたが、その通りになってしまった。ひえ~。

 という訳で31日の朝、我々は集合した。土木事務所には確認をとった。いざ出陣。
r205をすっ飛ばして通称”20世紀道路”r205旧道に入る。
坂道を長いこと登るとそこには先日の鬱蒼とした大分県道715号木田神崎線の入口があった。
この日の空は曇り空。ひょっとしたら雨が降るかもしれない、という天候だ。陽が差しても薄暗いこの山奥は一層薄暗く、安全とした雰囲気を漂わせる。

 この鬱蒼とした入口の大分県道715号木田神崎線は現役の県道であり、そういう意味ではr205よりも位は高いのかもしれない。しかし、r715はその甘い幻想を一発で打ち砕く爽快な先制技を決めてくれた。それは、r205旧道から数歩離れた先にある。いきなり左に急カーブ、曲がれどそのまま急カーブ。いきなりの180度ヘアピンだ。それに合わせて舗装はガタガタの簡易コンクリに移り変わる。昔の人は偉いものだ。よくもこんな強引なヘアピンコーナーを造ってまで開通させたものだ。

 その後も舗装状況は大きく変化せず、裂けたコンクリの上を我々は走る。
所々、『危険!』と書かれた表示板が本当に危険な断崖絶壁に立てられている他は何もなく、強いて言えば「何もないがあった」といった感じだ。気持ちのよい下り道を飛ばすと、突然それは現れる。

 r715の入口にあった、危険危険と甲高く叫び通る者を威圧する看板の中にあった「戸保ノ木トンネル」という単語が頭に浮かぶ。どんなものかと想像していたが、想像以上に、看板以上に威圧的な隧道だ。これはトンネルなどという小洒落た名前ではなく、『隧道』という日本語表現がまさに的確なシロモノだった。

 『青の洞門』を知っているだろうか。偉いお坊さんが1700年代かそこらに掘った、大分県中津市耶馬溪にある隧道のことである。
それとスケールは違えど同じようなモノが目の前にある。1枚岩に穴を掘っただけのような、装飾も施されること無くただただ通れれば良いという隧道本来の最低限の目的を達成することのみに徹した、フ◯テレビ系木曜21時の某番組も裸足で逃げ出す男気溢れる隧道が、ある。

 この日の前日は雨が降っていたため、隧道の入口からは水が滴っていた。水も滴る良い隧道とはこのことだろう。中も、貫通を主体とした大型自動車の事など元から考えていない設計のゴツゴツした隧道だった。向こう側はどうなっているのだろう。歩調を早め向こう側の隧道の入口を見る。ありゃ?先ほどの何の装飾も施されていない男気溢れる入口とは打って変わってこちら側はコンクリートで固められたちゃんとした入口だった。

 改修でもされたのであろう奥側の入口だが、それの上には改修前の岩肌を見ることが出来た。そして、この隧道の名前を書いたプレートもあった。
『戸保ノ木隧道』
この路線唯一の隧道である。
 隧道に未練たらたらながらも歩みを進める。しばらく走り、道は穏やかな上り坂になったと思うと再び面白いアトラクションがあるのを見つける。切り通しだ。これも先ほどの極狭男気隧道と同じく大型車の侵入を阻む戸保ノ木要塞の防御壁だ。そこには堂々とこう書かれている。
危険 自己責任』
しかし、ここでもう一つあるものを発見した。

 なんと電柱がある!この県道初の電柱だ。ということは、この奥にある秘境・戸保ノ木にはひょっとしたら人が住んでいるのか?そう希望を持ちつつ切り通しを越えなだらかな坂を下って行くと…


 なんと!人がいる!人類だ!ついに戸保ノ木王国の住民と遭遇したのだ!
僕は友人と3秒程度アイコンタクト会議を実施し『山を自転車で走るのが好きな、笑顔で明るい学生二人組』を熱演することを決めた。そして、極めて友好的に話しかけた。


おじさんはどうやら住民ではないらしく、林業か農業かをやっている人のようだった。
僕達を暖かく歓迎してくれ、簡単に自己紹介をしてくれた後、ふきのとうをくれた。そして、集落の方へ歩いて行った。
これは、面白い話が聞けそうだ。僕達もおじさんの後を追って遂に念願の戸保ノ木集落に突入した。
遂に戸保ノ木集落へ突入
怒濤の点線進軍編へ。

第1話『入口編』→http://tumu6……
第3話『点線進軍編』→http://tumu6...

福水君のyoutubeチャンネル→https://www.youtube……
入口編関連動画→https://www.youtube……
戸保ノ木編・点線進軍編関連動画→https://www.youtube……
ちなみにメインで喋ってるのは福水君です。

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