2023年1月17日火曜日

帯広ばんえい競馬に行ってきた


JGC修行(飛行機に真顔で乗りまくってJAL上級会員になる浅ましい営み)のために北海道に来ている。が、ただ修行するだけでは面白くないので、流石に少し観光することとした。

 

前日は根室・納沙布岬に行った。日本最東端の岬であり、これで筆者は日本の東西南北全てを制覇した。

岬からは歯舞群島が見える。視界が悪いこの日にも本土に最も近い北方領土・貝殻島を視認することができた。

 

根室から釧路に戻り、一泊。翌日に釧路から普通列車で3時間かけ、帯広までやってきたというわけである。電車、あまりに時間がかかる。飛行機なら40分くらいで札幌-釧路を飛べるのに。

 

帯広競馬場は駅チカかと思っていたが、これが案外2キロも離れていた。バスを使おうか迷ったが、ここは若人の健脚の見せ所。零下8度の雪道を歩くこととした。

 

しかしながら、なるべく負担は減らしたい。そこで、ホテルに荷物を預けることとした。泊まるのは帯広駅徒歩30秒のホテル日航ノースランド帯広。修行僧だし、せっかくだからホテル日航に泊まってみたかったのだ。荷物を預けるだけで良かったのに、チェックイン時刻2時間前にもかかわらず部屋に入れて貰えた。こういうホスピタリティ、あったけ〜〜〜!慣れちゃダメで、毎回「心底有難い」と思うことが重要だ、と自戒する。

 

部屋に荷物を置き、いざ健脚。路面がいい塩梅にスケートリンクのようになっているところもあり、かなり慎重に歩いた。30分ほどで競馬場に到着。コロナ対策か何かで入場料は無料になっていた。

 

この日は第1レースが12:55発走で、筆者が辿り着いた14時頃は第4レースの発売中だった。が、腹が減っていたためにまずは競馬場グルメを頂くことにした。「Kitchenばんえい」という立派な店があり、座席も豊富にあってくつろげる。豚丼を注文した。

 

日本には二つの豚丼がある。一つは牛丼チェーン系豚丼で、これはあっさり系。これに対し、帯広豚丼は味が濃い。砂糖醤油ベースの甘辛いタレ、分厚く大きい豚肉。開拓の歴史の中で生まれたまさにソウルフードである。鰻丼を参考にしたとの噂。

筆者はこれが大好きで、高校2年生の時に食べて感じた衝撃を5年越しに追体験できた。明日の昼も食べようかな、などと思う。

 

食べ終わってもまだ4レース「クッコロ・セツさん生誕記念」まで時間があったので、馬券を買うことに。よく分からんので、人気サイドの馬連ボックス1・2・3・5。4は「死」に通ずるからという理由で消してみたが、4が2着に入って外れた。

 

マイナス8度なのでスタンドには誰もいないが、発走直前になると多くの人が出てきた。ファンファーレののち、スターターの掛け声と共に発走。スターターが急に大声を出すから何か支障があったのかと驚いたが、いつものことらしい。

 

「ばんえい競馬は並走して観られるから面白い」と聞いていたのだが、ばん馬の方が速かった。とても追いつけなかった。一つには、人間側の地面がやや凍っていて、全力で走ることができないことがある。もう一つには、この日の馬場が湿っていて、馬のスピードが出やすいことがあっただろう。

 

ばんえい競馬では馬場状態は「良」「重」ではなく水分量で示される。この日の「馬場水分」は「1.6%」で、調べてみるとごく平均的だった。あれ?じゃあ、馬が速かった理由はなんだろうか。おそらく、メンバーレベルがかなり高く、斤量も軽いということが原因と思われる。一般的に走破に130秒ほどかかるが、この4レースだけ16秒で終わっていた。そりゃ速いわ。

 

次は5レース「鈴木咲希爆誕祭」。ばんえい競馬は経営難を乗り切るべく、広く個人協賛レースを受け付けている。この日は12レース中9レースが個人協賛であった。実施には1万円払えば良いらしい。

表彰式への参加や優勝馬との記念撮影(いずれも現在はコロナで中止)もさることながら、冠レース名が各所に印字・掲載されることが魅力的だ。馬主の楽しみの一つに、自分の馬の名前が出馬表や馬券に印字されることがあると思うが、その気分を味わうことができるのではないか。筆者も結婚や子供の誕生日などの際にやってみたいと思う。

それにしても、「鈴木咲希爆誕祭」は良いレース名だ。生誕ではなく「爆誕」、そして勝手にレースを祭りに昇華させているところが良い。このレースは適当に7の単複を買い、複だけ当たってガミ。

 

レースの間に周りを散策すると、「ふれあい動物園」なる最高の施設があった。ばん馬は非常に大きいということを再確認した。ずっと鼻を撫でていた。

 

ばん馬だけでなく、サラブレッドやポニーのほかに、一匹だけヤギもいた。なぜ。寂しかろうに。ヤギもヤギで愛らしかった。

 

ポニーが駆け回っているかと思ったら、二頭が互いに毛繕いを始めた。かわいい。マイナスで寒いよね。冬毛、似合ってるね。

 

ほかに意外だったのは、ちゃんとパドックがあること。よく分からないが、騎手服が他の競馬場より派手な傾向にあるように思う。

 

寒すぎて頭が痛くなったので、後ろ髪を引き摺られながらもホテルに帰ることにした。この先も「修行」が残っているので、体調不良は困る。お土産に名物のアメリカンドッグを買う。信じられないことに全面に砂糖をまぶしてあり、信じられないことに非常に美味しかった。給食の揚げパンを思い出す。

 

帰りはバスに乗った。後ろ乗り前降り、200円。

昔は多くの競馬場を巡業していたようだが、今では帯広一本。しかし、帯広市と連携してうまくブランディングすることで、ギャンブルを越えて観光地になっているのが良い。実際、友人の女子大生が北海道旅行で友達と行っていてひどく驚いた。

いずれ、個人協賛レースを開いて戻って来ようと思った。

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