2015年1月22日木曜日

平成26年度冬の青春18第2回『快速停まらぬ。』/篠栗線編

☆第2回概要…

…快速停まらぬ。とあるお婆さんのヒトコトをジブリ作品風にもじったモノだ。
今回行ったのは福岡県・篠栗線。それに、なんと今回は新幹線車両にも乗った。リッチな旅かと思いきや…。もう予想はつくよね?
当記事ではその内の篠栗線編を綴ります。…




12月26日。前日はクリスマス、それを過ぎるともう街中が年末に向けて雰囲気を一変させ、クリスマス・ツリーが門松に変わっていく。そんなこの日の朝、やはり僕は一番列車の車内でうたた寝をしていた。
暖房が心地よく、眠りに落ちてしまい起きたのは中津の少し手前の柳ヶ浦駅であった。
1時間強寝ていたことになり驚きだ。
柳ヶ浦の10分間停車で朝日を浴び、北上へ進軍。
中津駅で乗り換え、西小倉駅で下車。
いつもの行動パターンだ。
 今回は福北ゆたか線の列車を利用する。
福北ゆたか線というのは、黒崎-折尾-桂川-博多を走る運行系統の愛称である。鹿児島本線、筑豊本線、篠栗線に跨った系統であり、最初はよくわからず戸惑ったものだ。
という訳で西小倉駅で次の列車まで25分程度待たなければならない。
5番ホームの端っこで貨物が来るのでも適当に待っておこうかな、と考えてると3番ホームになにやら大仰なモノが入場してきた。

 なにやら、JRF…JR貨物の事業用貨物列車らしい。研修機材か何かを運ぶらしいが、詳細は不明である。何か知っていれば、教えて欲しい。

さて、その事業用貨物も発車し、僕は817系に乗り込む。次の下車まで1時間強…。
 筑豊本線を走り抜け、桂川駅で篠栗線に突入。この先、筑豊本線は原田線という愛称で呼ばれる1日5本のローカル線になっていく。

篠栗線を暫く行くと、目的の駅が近づいてくる。

 下車したのは、九郎原駅。『くろうばる』と読むが、グローバルな名前に反してなかなかの田舎駅で、乗客はまばらだ。
なぜ、僕がこの駅を訪れたか。
それは、27年度のダイヤ改正をもってこの駅に一部の普通列車が停車しなくなるというからだ。
ただでさえ快速がビュンビュン通過するのに更に普通も一部通過とは、一体どんな駅だろう。
そう思ったからだ。
 跨線橋はなく、2面のホームはトンネルの通路で連絡している。また、ホームの下に小川が流れており、近くには美しい白鳥の姿が見受けられた。(その写真は別途)
人影は無く、近くを散策しても聴こえるのは小鳥の囀りのみ。生活音も皆無だ。
家は散見されるのだが、聴こえない。そんなホラーチックな事を考えてると、石碑が見えてきた。
篠栗線の開通記念だった。福岡県知事の名が入っている。
なんとなく、杉河内駅を思い出す。
はてさて、駅周辺の散策を終え駅に帰ってくると、1人のおじさんが居た。僕がベンチに座っていると、気さくに話しかけてきた。
 おじさん「おう、兄ちゃん。何してるの?」
僕「あ、えっと色々な駅を巡ってて~(割愛)」
おじさん「ふうん。兄ちゃん、どこの人だい?」
僕「大分です。」
おじさん「おおう、結構遠いなぁ、始発で来たんか?」
僕「はい~~」
みたいなやりとりをした後、この辺の地域につて色々聞いてみました。

僕「この辺、人口はどれくらいなんですか?」
おじさん「ん…駅の近くに40軒くらいあって…上の方に30軒くらいある、70軒くらいやな大体。」
僕「交通の便はどうなんですか?」
おじさん「市役所の方にバスが1日に少し、それくらい。九郎原駅の利用者は、1日10人もいるかなぁ。」

おじさん「この辺には小学校がなくてな、おじさんが子供の頃は隣町まで歩いて行ったもんだ。」
僕「はぇ~~」
…その後ひとしきりお話をした後、おじさんは桂川方面の列車に乗って行きました。
おじさん「焦らず、遊んで行きなさいよ。」

おじさんと別れた後、僕は博多方への列車に乗車。次を目指す。焦らず、遊ぼう。
 次の下車は筑前山手駅。
写真を見て気づく人もいるだろうが、この駅は高架駅である。
それもかなり高く、ただの高架線に駅を後付しただけのようにも見える。
この駅で僕が降りると、もう1人降りていった。地元の高校生か何かであろう、先ほどの九郎原駅よりはなるほど一定需要がありそうである。
待合室は薄暗く、陽光がベンチに輝きをもたらしていた。
 だがその淡い陽光すらも届かぬ薄暗い階段は、少し降りるのが怖い雰囲気があった。
すると、所々に美術館と称して多種多様な絵が飾られてるのに気がついた。なかなかの出来栄えのものが多く、一応美術部員の僕としてはなかなか面白い階段ではあった。
待合の壁に飾られている絵が地域性があって面白かったかも。


 80段程度の階段を降りると、視界が開ける。
駅の正面には国道が通っているが、雰囲気は閑散としている。
駅前には公民館?のようなものもあったがまさに『片田舎の寂れた公民館』のような感じで、鄙びた建物だった。
ブラブラ歩いていると、バス停を見つけた(写真中央)。西鉄バスだ。おう、バス路線があるのかと思って発車時刻表を見る。朝に1本。ふむ、通学かな。昼には……!?
「1日1本だと……?」
さっきからずっと頭の中に『過疎化』という単語が反響していたのだが、予想的中!予想通りの酷さではないか。宗太郎駅を超えてきたね!
しかも年末年始の運行はゼロらしい。まぁ、田舎のバスはこんなもんかねぇ……。
上を見上げると、筑前山手駅がそびえ立っていた。バスが1本であることを鑑みるに、ここらの地域住民にとってこの鉄道駅の存在はとても大きいモノなのだろうな、と思う。
さて駅に戻ると、お婆さんが階段を登っていた。手助けをして階段を登り終える。次の列車まで20分強。
また、先ほどの九郎原おじさんと同じように旅の話などをした。そしてお婆さんがバスが1日1本という話をしていた頃、丁度快速列車が文字通り快速でスピーディーに過ぎ去っていった。そして、お婆さんが呟いた。
「快速は、停まらん……。」






新幹線編に続く!


ファビコンを変えてみましたけど、お気付きになられたでしょうか。どうでしょう。

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