2016年3月31日木曜日

【道路報告書】大南野津広域農道(28.03.28)

☆今回の概要
大分市大南地区から臼杵市野津地区へ通じる、農業の振興を目的とした広域農道・大南野津広域農道。山奥に突き進むと、いくつもの巨大な橋梁、そしてそこから望める壮大な山奥の景色と出会える。春爛漫の3月下旬、桜が咲いていた。

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※戸次-r206合流地点 の区間の記事です。
それ以降は今後調査します。
とりあえず取り急ぎ。

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路線地図

広域地図
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戸次側入口・交差点
農産物輸送体系の確立の為に建設された、大南野津広域農道。
今回調査するのは、戸次からr206合流地点までのおよそ4kmである。

尾津留隧道
少し走ると、すぐにこの隧道が立ちふさがる。
ちなみに、隧道の前を横切る道路は旧県道38号線である。ヘキサも残っていた。

尾津留隧道
この隧道は、コンパスで作図したようなカーブを描く。
後ろを振り返ると、『この先交差点』という高速道路のような緑色の表示が輝く。
全長は100m程度。

尾津留隧道~楠柳隧道
隧道を抜けると、軽快なストレートが続く。
おおよそ全区間においてr206方面に、40‰程度で標高が上昇していく。
また、ダンプカーがしきりに走っていた。

尾津留隧道~楠柳隧道
この道路の大きな魅力が、山間を貫く、
高速道路のようなスケールの大きな橋梁である。
このようなモノがこの道路には数基存在する。

楠柳隧道
橋に隧道にと、大忙しの道路である。
ちなみにr206まではずっと往復2車線の高規格な道路が続く。
この隧道の全長は180m程度

楠柳隧道~r206合流
橋から望む、山間の姿は絶景だ。点々とある桜が美しい。
まさに紅一点といった情景である。
なお、下を覗くのはやめておくべきだ…。
写真左奥のような集落を見ると、どうやって生計を立てているのかと
たいへん疑問に思う。

楠柳隧道~r206合流
そして僕的この道路のハイライトが、この景色である。
某サイトの比喩を引用するが、まるで原子力発電所に繋がっているような
無機質感、最果て、といった雰囲気がかなり気に入っている。

r206合流
しかしこの先に原発は無く、あるのは険道であるr206だ。
この辺りの標高が約170mである。
この農道はこの後、r206,r637と重複した後に
再び野津へ向けて道路が走る。

なお、r206との合流付近で新しい道を作る工事が行われていた。
新しい隧道も造られているので、県道との重複もいずれは解消されるのかもしれない。

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この後は、標高400mを越す九六位峠へ挑んだ。

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平成28年3月28日

-Fin- 

2016年3月26日土曜日

重岡駅(日豊本線)

重岡駅探訪記
2015.8.23

重岡駅は、大分県南部の佐伯市にある日豊本線の駅である。
この辺りの駅の運命として当然のごとく列車は往復3本である。
乗降客数は1日当たり15人程度と、ある程度の需要はあるようだ。

それが示す通り、かつては当駅始発の列車もあったようだ。
なお今もなおバス路線がごく僅かながら通っている。
宗太郎駅に比べると、大都会である。

かつては趣ある木造駅舎や待合があり、『なごり雪』という映画の
ロケにも使われたほどだったのだが、残念ながら
現在では解体され、真新しい、木を基調とした簡易駅舎が建っている。

この駅の名物の一つとして、この到達するのが絶望的に難しい名所の案内がある。
西34キロメートル、南西32キロメートル…

ちなみに一般によく誤解されがちだが、実はこの辺りが
宗太郎峠で最も標高が高いところである。
県境がそうではないのである。

山に囲まれたこの駅は、今日もこの駅は僅かな利用客を見守っている。

-Fin-

2016年3月24日木曜日

【道路報告書】旧道・大分県道205号臼杵坂ノ市線(28.03.21)

☆今回の概要
臼杵坂ノ市有料道路の無料開放に伴い、かつて坂ノ市臼杵の交通を担っていた峠道・205号線は完全に役割を失い旧道に降格された。通る車はごく僅か、道中の六ヶ迫の温泉には閑古鳥すら鳴かない。そんな道路の現在を見てみよう。

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地図
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新旧r205分岐・元臼坂有料料金所坂ノ市側
臼杵坂ノ市の速達交通であった臼杵坂ノ市有料道路が無料開放され
県道205号に指定されたのは2002年、新世紀の幕開けの頃であった。
それから十余年、貧乏ドライバーですらケチらずに通れ、
すっかり定着した臼坂道路の傍らに
ひっそりと佇む道路がある。

r205分岐~r715分岐
それは、旧県道205号。御所峠を越す、旧臼坂交通の大動脈である。
今では通る車は僅かで、鄙びていくばかりの典型的旧道である。
さて、新道から分岐してしばらくは集落の中を突っ走る。
2つ目のヘキサを通過し、道に傾斜がつき始めた頃からが
峠道としてのr205の始まりである。

r715分岐
しかし旧道とはいえかつての交通の大動脈、
往復2車線の幅員はある。
桜?をくぐり抜け、10分くらいするとこのブログではお馴染みと
言っても過言ではない、r715との分岐地点が見えてくる。
r715探索はこちら

r715分岐~御所峠
r715との分岐を越えしばらくするとセンターラインが現れる。
この辺りから直線的な区間が増えてくる。
木々の緑と空の青のコントラストが美しい。

r715分岐~御所峠
展望が開けると、さっき通ったr205の集落部分や
遠くには大分市を見下ろすことが出来る。

御所峠~六ヶ迫隧道
御所峠を越すと臼杵市に入る。
御所峠というのは「みせんたお」と読み、標高は約298mの峠である。
この道路は19世紀後半に開通したので、有料道路が開通するまでの約100年間
交通の要衝としてこの峠も活躍し、今は余生を送っているところであろう。
臼杵市に入ると、ほとんどのヘキサが六角形の部分だけ撤去されている。

このことから推測するに、臼杵市においては既にこの道路は県道認定を取り消され
何らかの市道などとして存在しているのではないだろうか。

Google Mapsにおいて、市境を越えた途端道の表示が細くなることに
いつも疑問を抱いていたのだが、そういうことなら納得がいく。
大分市HPは市道情報が充実しているので、大分市においては205号旧道は
205号として存在しているのは確認済みだが、臼杵市にはそういった情報が無いので、
今後文献を紐解くことになりそうである。

しかし、実際問題としてそのようなことが有り得るのだろうか?
県道とは大分県が指定する道であるから、
市単位でどうこうできるシロモノでは無いように思える。
更に、最新のマップルにおいても、臼杵市側も205号として書かれている。

…もっとも、普通に通行する分には全く関係ないことであるが。

六ヶ迫隧道
全長は150m程度、竣工は1963年である。
大分ではよく心霊スポットとして噂されている。
内部は手掘り感があふれている。
怖くなったので足早に通り過ぎる。

ところで、前述のとおりこの県道205号線が開通したのは19世紀後半のことである。
開通してからこの六ヶ迫隧道が竣工するまではいったい
どのようになっていたのだろうか。
…調査対象が増えた。

新旧r205接続道路(通行止め)
六ヶ迫隧道を必至に自転車漕いで超速で通過し、さぁこの調子で下り道、
と思った所でこんなものを発見した。
『この先1km 有料道路への進入はできません』
最初はどういうことかと思ったが、マップルで確認すると、
確かにこの新たに発見した道は新道に繋がっているようである。
現在、新道の方とこの道路の合流地点には車止めが施してある。
しかし、有料道路に途中から進入するような道が通行禁止なのは当然である。
なぜこんな道路を作ったのだろうか?工事用?
無料開放されてから作られた道だとすると、この看板の内容と車止めに矛盾する。
今後の調査対象である。

六ヶ迫隧道~六ヶ迫鉱泉
菜の花の中を突っ走る。
180度ヘアピンが痛快で、ヘアピンを曲がり終えると
六ヶ迫鉱泉の建物が見えてくる。

六ヶ迫鉱泉
正式には鷺来ヶ迫温泉と言うらしく、マップルにもそう書いてあるが
看板には六ヶ迫の方が載っていた。
多くの建物が廃墟と化しており、我々が訪ねた時には
鹿のような何かの鳴き声が盛んに聞こえた。
奥に写っている『俵屋旅館』は営業しているらしい。
臼杵からここまでのバス路線もあるのだが、本数は…。

『警笛鳴らせ』六ヶ迫鉱泉~R217合流
下り道を軽快に駆け抜ける刹那、僕の超人的動体視力が
『木に隠されてほぼ見えない、なおかつ向きが逆』という状況の道路標識を捉えた。
今ではあまり見なくなった、警笛鳴らせである。

R217合流
旧道r205はR217と合流して終わる。
ちなみに、この周辺の道路事情は大体次の図で表される。
R217と共に現r205とも合流しているわけである。

現r205
ここから、現r205は臼杵市街地へ向けて、青空を突き抜けていく。

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おまけ
新r205の異型指定方向外

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この後我々は防災無線収録へ、佐志生へ向かった。
その様子はこちら

平成28年3月21日

2016年3月22日火曜日

【道路報告書】大分県道715号木田神崎線/第2回調査(28.03.21)


☆今回の概要
山奥に幽閉された未舗装県道・大分県道715号木田神崎線。もう二度と行政の目に留まること無く朽ちていくだろうと思われたこの道路に、劇的な変化が起こった。715号の今をご覧頂こう。
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前回の調査→【道路報告書】大分県道715号木田神崎線/入口編
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地図
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大分県道715号木田神崎線・山側入口
前回来た時よりより一層物々しい雰囲気で、強い調子の看板が並ぶ。
何やら、工事が行われたらしい。
マニア気質な友人2名と調査に向かう。

r715・山側入口~戸保の木隧道
土木建築事務所に連絡し、r715に突入する。
この区間は前回来た時と同様に鬱蒼とした森林の中を貫く。
今回は晴れているが、日差しの恩恵は受けにくい。

戸保の木隧道
なんと、今後の工事でこの世界隧道遺産のようなモノに登録されるべき
この手掘り感満載の男気溢れる隧道・戸保の木隧道は
取り壊され、切り通しにされてしまうらしい。(大分県土木建築事務所)
もう二度とこの水も滴る良い隧道に会えないかと思うとそれだけでも充分悲しいのだが、
この先にはそれ以上に、この偉大なる険道の根幹を揺るがす改良が現れる。

戸保木集落・三叉路
これから県内屈指の険道区間に入ろうかと思ったその矢先、
衝撃的な光景が現れた。
なんと!新しい道が出来て、三叉路が形成されている!!!
戸保木集落には徐々に活気が戻っており、この日は居なかったものの
集落に通って農業をしたりする人が少なくとも3人は居るらしい。
また、この付近には『戸保ノ木街道』という手製の看板が設置されていた。
それ自体は良いことだが、上の写真には更に1つ、おかしなところがある。
それは…

r715旧点線区間
ダートが、点線区間が、
簡易コンクリで舗装されていたのである。
行政の魔の手とでも呼ぶべきこの所業により、
数少ないダート険道はまた一つ消え去ってしまった。

戸保木大橋
戸保木大橋は未だに健在、というか、きっとどうしようもないのである。
さて、そろそろ点線区間、いや旧点線区間も終わる。
もう終わりか…と思っていると

r715旧点線区間
唐突に砂利道が現れた!どうせなら舗装しとけよ!
路上の石などは綺麗サッパリ片付けられていたが
ギリ舗装はされていない?ということで
酷道愛好家の皆様、どうぞお訪ねください。

新道路神崎側入口 
さて、次はいよいよ先程から気になっていた新道路の件だ。
戸保木に人が居なかったため詳細を聞くことは出来なかったが、
おそらく戸保木線とかそういう市道であると思われる。
いずれにせよ、この道路の完成により戸保木の交通事情が
改善されたわけである。
例によって突入。

新道路
かなりの急勾配、アップダウンが激しく、戸保木集落に着くまで2回ヤマがある。
なお、ページ上の地図は僕が記憶と写真を基におおまかに書いた線であるため、
実際とは異なる所があると思われる。

新道路
2つ目のヤマを登り切ると、眼下に戸保木集落が見えてくる。

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この後我々はr205旧道調査へ向かった。

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平成28年3月21日

2016年3月21日月曜日

【道路報告書】大分市道大志生木木佐上線

☆今回の概要
大志生木木佐上線とは、大分市佐賀関町神崎から同大志生木を結ぶ山岳路線の市道である。道中には2つのダムがあり、ダムの連絡道路としての役割を担っている。また、近年までダートであったことでも知られる。
電動自転車を買って早速この路線に挑む僕。ダムの先に見る景色とは。

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地図
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14万円くらいした、Panasonicの電動自転車『ハリヤ』
通学用も兼ねている。

197号線を通って大志生木集落へ。
197号線から大志生木木佐上線までのアクセス道路はこの『大志生木線』である。
僕の祖父母の家がある。
まさかこんな形で通ることになるとは…。

大志生木川に沿って進むと大志生木木佐上線の起点に出る。
『十谷橋』を渡った付近である。

しばらくすると山道に入り、志生木ダムに出る。

ダム湖に沿って進むと、本格的な山岳路線の様相を呈してくる。
しかし、電動自転車なので楽チン

左手の展望が開く。
遠くにダム湖、雲はなし。

標高215m前後
名も無き峠を越す。
左手に、『樅の木山』の登山口がある。

ジブリに出てきそうな景色である。
背の高い木々に挟まれながら、先を急ぐ。

三叉路に出る。
右手にある路線は『林道平保原線』である。

河内という地域に出るようだ。
それにしても気にかかるのが右下の紋章である。
下のシールが示す通り、この標識は佐賀関町時代のものであるから、
佐賀関町の花・椿であろうか。
しかし僕は花に疎くよく分からない。
情報を求ム。

軽快な下り道が続く。
道路状態が悪いので、良い加減手が痛くなってくる。

下り終えると、中尾ダムに着く。
ここでこの大志生木木佐上線は終了である。
ダート区間は無くいささか残念であったが、
あの幻想的な森に出会えてよかったと思う。

平成28年3月20日

-Fin-