2016年3月24日木曜日

【道路報告書】旧道・大分県道205号臼杵坂ノ市線(28.03.21)

☆今回の概要
臼杵坂ノ市有料道路の無料開放に伴い、かつて坂ノ市臼杵の交通を担っていた峠道・205号線は完全に役割を失い旧道に降格された。通る車はごく僅か、道中の六ヶ迫の温泉には閑古鳥すら鳴かない。そんな道路の現在を見てみよう。

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地図
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新旧r205分岐・元臼坂有料料金所坂ノ市側
臼杵坂ノ市の速達交通であった臼杵坂ノ市有料道路が無料開放され
県道205号に指定されたのは2002年、新世紀の幕開けの頃であった。
それから十余年、貧乏ドライバーですらケチらずに通れ、
すっかり定着した臼坂道路の傍らに
ひっそりと佇む道路がある。

r205分岐~r715分岐
それは、旧県道205号。御所峠を越す、旧臼坂交通の大動脈である。
今では通る車は僅かで、鄙びていくばかりの典型的旧道である。
さて、新道から分岐してしばらくは集落の中を突っ走る。
2つ目のヘキサを通過し、道に傾斜がつき始めた頃からが
峠道としてのr205の始まりである。

r715分岐
しかし旧道とはいえかつての交通の大動脈、
往復2車線の幅員はある。
桜?をくぐり抜け、10分くらいするとこのブログではお馴染みと
言っても過言ではない、r715との分岐地点が見えてくる。
r715探索はこちら

r715分岐~御所峠
r715との分岐を越えしばらくするとセンターラインが現れる。
この辺りから直線的な区間が増えてくる。
木々の緑と空の青のコントラストが美しい。

r715分岐~御所峠
展望が開けると、さっき通ったr205の集落部分や
遠くには大分市を見下ろすことが出来る。

御所峠~六ヶ迫隧道
御所峠を越すと臼杵市に入る。
御所峠というのは「みせんたお」と読み、標高は約298mの峠である。
この道路は19世紀後半に開通したので、有料道路が開通するまでの約100年間
交通の要衝としてこの峠も活躍し、今は余生を送っているところであろう。
臼杵市に入ると、ほとんどのヘキサが六角形の部分だけ撤去されている。

このことから推測するに、臼杵市においては既にこの道路は県道認定を取り消され
何らかの市道などとして存在しているのではないだろうか。

Google Mapsにおいて、市境を越えた途端道の表示が細くなることに
いつも疑問を抱いていたのだが、そういうことなら納得がいく。
大分市HPは市道情報が充実しているので、大分市においては205号旧道は
205号として存在しているのは確認済みだが、臼杵市にはそういった情報が無いので、
今後文献を紐解くことになりそうである。

しかし、実際問題としてそのようなことが有り得るのだろうか?
県道とは大分県が指定する道であるから、
市単位でどうこうできるシロモノでは無いように思える。
更に、最新のマップルにおいても、臼杵市側も205号として書かれている。

…もっとも、普通に通行する分には全く関係ないことであるが。

六ヶ迫隧道
全長は150m程度、竣工は1963年である。
大分ではよく心霊スポットとして噂されている。
内部は手掘り感があふれている。
怖くなったので足早に通り過ぎる。

ところで、前述のとおりこの県道205号線が開通したのは19世紀後半のことである。
開通してからこの六ヶ迫隧道が竣工するまではいったい
どのようになっていたのだろうか。
…調査対象が増えた。

新旧r205接続道路(通行止め)
六ヶ迫隧道を必至に自転車漕いで超速で通過し、さぁこの調子で下り道、
と思った所でこんなものを発見した。
『この先1km 有料道路への進入はできません』
最初はどういうことかと思ったが、マップルで確認すると、
確かにこの新たに発見した道は新道に繋がっているようである。
現在、新道の方とこの道路の合流地点には車止めが施してある。
しかし、有料道路に途中から進入するような道が通行禁止なのは当然である。
なぜこんな道路を作ったのだろうか?工事用?
無料開放されてから作られた道だとすると、この看板の内容と車止めに矛盾する。
今後の調査対象である。

六ヶ迫隧道~六ヶ迫鉱泉
菜の花の中を突っ走る。
180度ヘアピンが痛快で、ヘアピンを曲がり終えると
六ヶ迫鉱泉の建物が見えてくる。

六ヶ迫鉱泉
正式には鷺来ヶ迫温泉と言うらしく、マップルにもそう書いてあるが
看板には六ヶ迫の方が載っていた。
多くの建物が廃墟と化しており、我々が訪ねた時には
鹿のような何かの鳴き声が盛んに聞こえた。
奥に写っている『俵屋旅館』は営業しているらしい。
臼杵からここまでのバス路線もあるのだが、本数は…。

『警笛鳴らせ』六ヶ迫鉱泉~R217合流
下り道を軽快に駆け抜ける刹那、僕の超人的動体視力が
『木に隠されてほぼ見えない、なおかつ向きが逆』という状況の道路標識を捉えた。
今ではあまり見なくなった、警笛鳴らせである。

R217合流
旧道r205はR217と合流して終わる。
ちなみに、この周辺の道路事情は大体次の図で表される。
R217と共に現r205とも合流しているわけである。

現r205
ここから、現r205は臼杵市街地へ向けて、青空を突き抜けていく。

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おまけ
新r205の異型指定方向外

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この後我々は防災無線収録へ、佐志生へ向かった。
その様子はこちら

平成28年3月21日

2 件のコメント:

  1. 自分は坂ノ市地区に実家があり、母の実家が臼杵市にあるため臼杵坂ノ市道路を使って臼杵まで行っていました。
    母や父からバイパスができる前は御所峠経由の旧道を通っていたらしく大変だったとのこと。
    自分も免許を取りこの旧道を走りましたが、たしかに狭い!!
    この狭さを大型トラックとか走っていたのだから・・・
    六ヶ迫隧道は心霊スポットで有名ですよね。
    トンネルの壁から手がニョキって出てくるらしいですよ・・・

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  2. 『この先1km 有料道路への進入はできません』の看板、今(2021年)はもうなくなっているようです。
    本日この道に自動車で進入してみましたが、草木は生い茂り、枯れ葉が道路にあり、なかなか進みにくかったです。
    奥(現県道206号との接続部分)まで進んでみたかったのですが、立往生を恐れて断念。。。
    奥まで行かれましたか??

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