前回は搭乗時まで書きました。
搭乗は列に並びましたが、そこはワンワールド・サファイア会員、優先搭乗です。早く休みたいと思っていたので、普通に助かります。JALのスタッフがしきりに「Face Expressをお使いの方はこちらに並んでください」と呼びかけており、その人たちの列が上級会員の列と同時にゲートに入っていきました。なんなんだよ、ケッ!と思った次第ですが、使ってみるといいんじゃないでしょうか。
機内
さすがに「プレミアム」エコノミー、席の作りがしっかりしてます。アメニティ類も充実していました。歯ブラシはラウンジのものよりしっかりしていました。他にはアイマスク、耳栓、スリッパなど。
耳栓は寝るときに重宝しました。イヤホンだと寝返りうつときにボタンが触れて変な音鳴る(安物なので)し、ノイキャンもない(安物なので)ので防音性が低いです。飛行機、かなりうるさいですからね。
また、スリッパは、そこそこ質が良いものなので、持ち帰るべきでした。あれは、百均で百円しますね。ヨーロッパのホテルは靴生活を前提としており、スリッパはほとんど準備されていませんでした。まあいいやと持ち帰らなかったことをその後に何度も後悔しました。
若干遅延して出発。トラブルにより機内Wi-Fiが使用できないというアナウンスがありました。我々はもともと使う予定がなかったのでそれはよいとしても、さすがのJALでも国際線になるとお粗末なところは出てくるのだなと感じました。いわんや、海外エアラインをや……。心配です。
オーディオでジェットストリームを見つけ、離陸からしばらくはそれを聴いて感傷に浸っていました。
さて、JL041ロンドン深夜便は最初の機内食をスキップして即消灯です。こっちはラウンジでカレーをたらふく食っているので、異議なしです。寝ようと試みます。リクライニングは後ろに干渉しないつくりになっているので、一切気を遣わずに倒せます。新幹線のグランクラスと同じ構造ですね。そして寝るのですが、これがもう、寝れたもんじゃない。リクライニングは45度以上倒れ、かなり平行に近くはなるのですが、それでも「席」ですからね。ああ、フルフラットのビジネスクラスにするべきだった、というか家で布団で寝ていたい、そもそも旅行3週間って長すぎるだろ、と猛烈に後悔しました。いくらプレミアムでも、所詮エコノミーということですね。
窒息
寝付くのに1時間くらい掛かった割に、40分くらいで起きてしまいました。睡眠のコスパが悪すぎます。なぜ起きたかといえば、呼吸が苦しくなったからでした。初めは飛行機の酸素濃度が低下して全員〇ぬのかと思いましたが、それは杞憂でした。杞憂でしたが全然問題は解決していません。深呼吸みたいにしないと苦しくなります。妻は隣で、すぴーすぴー寝てますから、一人で必死に深呼吸していました。ああ、家だったら多分こんなことになっていないし、悪化したとしても救急車にアクセスできるが、機内だからもう〇ぬしかないやん、と絶望していました。マジで飛行機には引き返して欲しかったです。
30分くらいでだんだん落ち着いてきました。妻が起きたので呼吸困難事象を報連相したところ「その時に起こせや!」と怒られました。優しいなあと思います。そして十日後、高熱でうなされて妻を起こすことになります。
その後は爆睡しました。寝れるもんですね。起きたのが日本時間で朝9時頃でした。起きたら、妻は『ローマの休日』を予習していました。結構なことです。
機内食
日本時間10時半頃、朝ごはんとなりました。機内食は、オーストラリアの日本人料理人が趣向を凝らして監修したと書いてありましたが、まあおいしくないです。機内食ですからね。機内食がまずい理由として、機内が乾燥して味覚が変になるからだと、さも人間様に原因があるかのように語る記事が散見されますが、別に地上でもまずいと思います。火を入念に通さなければならないというのはここまで大きなディスアドバンテージなのかと、毎回驚きます。
あとはまあ、野菜が多くて、僕が偏食なのもまずい原因でしょうね。当ブログの僕の発言は全て偏食家の発言であることに留意してくださいね。
逆に、特濃の味噌汁は僕には美味しかったんですが、妻には不評なようでした。
でも案外メインディッシュは完食できるんですよ。空腹というスパイスもありますし、独特の味が面白いのも一因かなと思います。二転三転してすみません。
食後にハーゲンダッツが出てきます。我が家の経済政策は戦時共産主義を採用しており、配給のアイスはポッキンチューに指定されています。物珍しい味に歓喜しました。哀しい特別感です。
その後は3時間ほど、旅行の計画を復習したりして過ごしました。唇が乾燥していることに気付き、ステロイドを持ってこなかったことを後悔し、妻が持ってきており歓喜するという事件がありましたね。本当に妻は準備がいい。本当に僕は準備が悪い。後述しますが、薬の担当だった僕が持参した薬はイブと冷えピタでしたからね。ワイは無能や
魂の入国審査
アリューシャン列島に沿って進み、グリーンランドを通過する14時間の旅もようやく終わりそうです。グレートブリテン島が見えてきて、ロンドン上空を右旋回しました。眼下に見ゆるテムズ川、遠くに新市街のシルエットが見えます。すぐにロンドンの西側にあるイギリスの玄関・ヒースロー空港に着陸しました。
JALへの名残惜しさと憧れのロンドンに着いた高揚感を胸に抱いて降機しました。寒い!長袖一枚しかないぞ!困りましたね、かなり。まあ、朝早かったですからね。
空港には日本語の案内がありません。英語ばっかり。案外読めるけど、やっぱり体力使いますね。
なんとなく歩いていると、パスポートコントロールがありました。特定の国の方はこちら、それ以外はこちらという案内。当然、日本は「特定の国」です。こういうのを見るとちょっと、得意になりますね。浅はかで唾棄すべき感覚ではありますが、やっぱりね。
「特定の国」の方は、機械で入国審査を突破できます。羽田や成田のパスポートコントロールと同じです。あ~楽ちんだな。特定の国だもんな〜。どれ、パスポートをセットして、カメラを見つめて……。
これが、上手くいかなかったんですよ。妻は悠々と突破して、心配そうにこちらを見つめていました。僕は必死にやりますが、まるでダメ。Go Back!ということで、係員に声を掛けました。Excuse me? Go there!これがこの旅初の英会話となりました。最悪ですね。thereは有人の入国審査スペースを指します。トルコ人曰く、僕の見てくれはアフガニスタン人らしいので、一抹の不安を抱えながら赴きました。
自慢ですけど、僕は大昔に東大の入試を突破しているので、人並み以上には英語できるんですよ。ほぼネイティブっすよ。インド系の入国審査官と対峙して、パスポートを差し出します。あれ?「はいどうぞ」って英語でなんていうんだっけ?しょうがないので無言で差し出しました。入国審査官がなんか聞いてきますけど、聞き取れない。あーもう全然ダメですね。東大英語を読みこなし・聴きこなした僕はもういませんでした。
必死の困り顔とOne more please。審査官は、にこやかに、ゆっくり喋ってくれました。「何日いるのか」「ONE WEEK!」「誰と旅行しているのか」「……WIFE!!!」これで突破できました。簡単簡単、恐れるに足りません。
補足ですが、多分、メガネをしていたから機械が上手くいかなかったんですよね。フィンランドで、日本人ビジネスマンがそんなことを言っていたので試してみたら上手くいきましたから。パスポートの写真もメガネ掛けてるんだけどなあ。
ラッキー・アーリーチェックイン
妻と合流し、電車に乗りました。日本でいう成田エクスプレスが25ポンド、地下鉄エリザベスラインだと13ポンドです。当然、地下鉄に乗ります。
イギリスが優れているところは、全ての支払いがクレカのタッチ決済で済むところですね。鉄道の改札も当然タッチ決済です。日本ではタッチ決済は普及途上ですから、さすが大英帝国だなと思いますね。
ロンドンっ子御用達の乗換案内アプリCitymapperを頼りに電車にたどり着き、40分ほどでトッテナム・コート・ロード駅に着きました。外に出ると、寒い!道が汚い!自転車が多い!そして、ロンドンだ!嬉しいったらありゃしないですね。ブルームズベリー公園でスーツケースを広げ、妻は簡易的に化粧をし、僕は長袖を羽織りました。そして、ホテルに荷物を預けに向かいました。
ホテルは、大英博物館近くのベッドフォードホテルを予約しました。本旅行は、妻がすべて調べ上げ、予約しました。ありがとうね。受付でパスポートを渡しました。
一応ホテルの予約を全部印刷してきたんですけど、これは1回も使わなかったですね。絶対にパスポートを提示するので、それですべて済みます。
すると、インド系の受付係が、不敵な笑みを浮かべながらYou are luckyとのたまいます。なんだ?部屋のアップグレードでもしてくれるのか?と思いきや、なんと、もう部屋に入っても良いといいます。これは有難い、部屋のアップグレードよりも有難かったです。
海外の揺れるエレベーターの洗礼を受け、部屋に入り、一休みしました。まだ何もしていないのに疲れました。
無予約大英博物館
イギリスといえば、大英博物館なんですよ。植民地帝国の威光を存分に感じることが出来ます。最高の気分です。ホテルから博物館まで徒歩5分!開館時間は10時で、10時15分くらいに正面玄関に行きましたが、もうかなり並んでいましたね。大英博物館を囲むように並び、入ろうとすると、係員に「予約はあるか」と訊かれました。「あるわけねえじゃん、無料やで?」と言いたいけど言葉が出ないので”No”と言いました。すると、別の出入り口に行け、と追い出されてしまいました。
イギリスの王立ミュージアムは基本的に無料ですが、予約もできるようです。そして、正面玄関は予約の列だったようです。が、当時はそんなことわからないので、はたして入れるのか、不安になりながら裏口に行きました。初っ端から躓いてますからね。
真裏の北口に並んで、手荷物検査を受け、入れました。入れたのですっかり笑顔の僕。まずは、ロゼッタストーンを観に行きました。ロゼッタストーンって知ってますか?ヒエログリフ解読の糸口となった、大英博物館の至宝です。エジプトにあったものですが、当然のようにロンドンにあります。
さすがに一番混んでいましたが、1分くらいでガラスの前に辿り着くことが出来ました。うわ~すげ~!あったりまえですけど、文字が刻んであるんですよね。すげ~な~
まあ、語るほどの知識もないし羅列してもキリがないので少しにしておきますが、これはアッシリアの何かです。当然のように建物の一部になっており、けっこう雑に扱われてる気がするんですけど、どうでしょう。
トーテムポール。どうぶつの森以外で初めて見ました。
エチオピアコーナーにある、アドワの戦いを描いた絵画。第一次イタリア=エチオピア戦争の激戦で、エチオピアが勝利しました。日露戦争と同じく、有色人種が白人に勝利した稀有な例です。
まあ、最終的には第二次イタリア=エチオピア戦争を経て、エチオピアはイタリアに併合され、イタリア領東アフリカを構成することになります。このくだりは、国際連盟の形骸化として世界史学習に出てきますね。
とまあこんな感じ。あとは、日本ギャラリーを三菱商事がバックアップしてたのが凄かったですね。
ここには翌日も来るので、お腹も減ったことだし、博物館を出ました。
出口はさきほど涙をのんだ正面入口。立派だね~~~
カップルに声を掛けられて、写真を撮り合いました。暑くなったので、長袖をバッグに結びました。寒いのは朝だけですね。
フィッシュアンドチップス
昼飯を求めて、そしてイギリスらしい食事を求めて、フィッシュアンドチップス屋さんに行きました。NORTH SEA FISHというチェーン店?です。ミニを注文しました。15分くらい待たされました。店員が暇つぶしにダンスするのを見ながら待ちました。
ミニを頼んだのに、とても多く、また美味しかったです。白身はジューシーでした。ポテトは、僕はそんなに好きではないですが、普通に美味しかったです。結局食べきれず、夜にまた食べました。
9と4分の3番線
試験と旅行の間隙の一週間、『ローマの休日』と『ノッティングヒルの恋人』を予習しましたが、もうひとつ予習したものがあって、それは『ハリーポッター』です。妻の強い希望で、第一作だけ観ました。まあそれなりに面白かったです。ホグワーツの制服に大学の卒業式を思い出し、ホグワーツ城に「これUSJで見たことあるな」と思いました。そのハリーポッターに、次のようなシーンがあります。ロンドンのキングス・クロス駅の9番線ホームと10番線ホームの間の柱に突っ込むと、9と3/4番線に入れる、というシーンです。ハリーがカートを押しながら柱に埋没します。
というわけで、キングスクロス駅には特設・9と3/4番線があります。改札外にあり、観光地になっています。並べばまさにハリーのような写真が撮れるのですが、2時間くらい待ちそうな感じだったので諦め、勝手に自撮りをしました。これは妻が「そのものの写真だけならネットに転がっている。その場に自分たちが行かなければ撮れない写真を撮るべきだ」と主張し、感銘を受けたからです。いいこと言うなぁ
さて、スーパーに寄って帰って12時間寝ました。
次回・イングランド銀行博物館で金塊を持つ。ホテルレビューもあるよ
3日目 4枚目のひまわり
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