2024年8月29日木曜日

犯人は二世帯住宅を知っていたか(世田谷一家事件考)

当ブログでは現在、世田谷一家殺害事件についての考察記事シリーズを鋭意準備中です。

が、準備に時間をかけていては、例の如く風呂敷を広げるだけで飽きかねないので、思いついたことは先に書いていこうと思います。

事件の概要についてはWikipediaを参照ください。



世田谷一家殺害事件が未解決事件となっている要因として、イレギュラーが多いということが挙げられます。

犯行の内容が異常なのは言うまでもありませんが、被害者一家についても、一般的な家庭とはイレギュラーな要素が散見されます。


これは悪い意味で言っているのではありません。

例えば

・立ち退きが進む住宅地で偶然最後の方に残っていたという地理的条件

・亡くなった母親が専業主婦やパートなどではなく、家で塾経営していたこと

・イギリス在住の姉夫婦が年末年始で帰ってきていたこと

などが挙げられます。

(警視庁HPより)

「一般的な家庭」とは幻であり、どこの家庭も多かれ少なかれ一般的ではない部分があるとは思いますが、こと被害者一家に関しては、一般的ではない部分が多いと感じています。


そのイレギュラーな条件として筆者が気になったのは、家が二世帯住宅であったこと。それもただ二つの家族が住んでいるのではなく、1つの建物を2区画に完全に分離した住宅であったことです。




国交省のデータによれば、二世代同居世帯の一般世帯総数に占める割合は1970年代からほぼ一定に2%で推移しています。

また、二世帯住居の中でも、2区画に完全分離するスタイル、これを完全分離型と言うそうですが、これは25%程度に過ぎません。

完全分離すると、トイレなど住宅設備が単純に倍必要になり建設費が嵩む、とのこと。

以上を単純に掛け算すると、ある建物が完全分離型二世帯住宅である確率は0.5%です。

これは、2000年当時でもあまり変わらない数値かなと思いますから、イレギュラーと言って良いと思います。


では、被害者住宅が完全分離型二世帯住宅であることの何が問題なのか。いや、問題とは言ってませんけど、何が引っ掛かるのか。

これを今から解説します。


次の写真は、件の住宅です。

完全分離型二世帯住宅ですから、あったりまえですけど、玄関が二つあります。

右の縦に細長い方が被害者宅側です。

では、仮定します。犯人が、事前に玄関を確認するなどして、この家が二世帯住宅である(この建物には家族4人以外に暮らしている人がいる)ことを知っていたとします。


犯人が包丁を持って家に来て、凶行に及びます。

男の子は絞殺とされているので分かりませんが、他の3人は、それはそれは大声で必死の抵抗をしたに決まっています。

他の家族に危難を伝える必要がありますし、壁を一枚隔てた向こう側にはおばあちゃんと姉一家が寝ていますから。

また、特に喉を中心に刺し傷があり声を出せなかったとも伝わっていません。


僕が犯人ならどうするかと言うと、真っ先に逃げ出します。

だって、隣の家のおばあちゃんが警察に通報すると思うからです。

実際には、防音構造のため、隣家の家族は悲鳴に気付くことは叶いませんでした。

しかし、大事なのは、犯人がどう考えるかです。防音構造なんて犯人は分かりません。

4人殺してます。死刑当確です。それはもう、逃げる逃げる。

しかし、実際には犯人は逃げ出さず、アイスを食べて大便をして、パソコンをいじって書類を物色しています。

(一回逃げて戻ってきたパターンはいずれ検討します。「飛び出しマン」を考えなければならないからです。)


なぜ犯人は逃げなかったのか?それは、仮定が誤っていたからです。

つまり、筆者は、犯人が二世帯住宅だと気付かなかったのではないかと思うわけです。

犯人は家の裏、風呂の窓から侵入した説が濃厚です。

昼間なら、裏からでも建物が分離されていることはなんとなく分かります。

が、侵入したのは23時頃です。分からなくても、ギリ、不思議ではないかなと。

裏なので、玄関の個数も分かりません。

分からなかったということは、つまり、なんかデカい家の風呂の窓が開いていたから入っちゃえ、ということではないかと思います。

そして、犯行に及びます。母親・父親・子供二人。平均的な家庭像です。普通、これで全員だと思います。

家中を歩き回りますが、二世帯住宅には気付きません。完全分離型だからです。


そして、のんびり物色して、最後まで気付かずに脱出した、というのが筆者の筋書きです。

どう思いますか?


正直、穴は多いと思います。例えば


・流しの犯行と仮定すると、たまたま窓を開けていた家に前情報なく押し入ったことになり、偶然性が高い。

・相当細長い家なので、流石に二世帯住宅に気付くだろう。

・裏から見ても、夜でも二世帯住宅に気付くだろう。

・二世帯住宅に気付かなかったとしても、向かいに別の家があるのだから、犯人が通報を恐れてもおかしくない。

・そもそも、向かいの家の住人が気付かなかったという事実があるのだから、奇跡的か必然か、悲鳴をほとんどあげることなく亡くなったのではないか。


などが考えられるでしょうか。



でも、やっぱり、普通は逃げると思うんですよ。知ってたら。

叫び声を上げられ、自分が深い傷を負うほど抵抗された犯人が、壁の向こうのおばあちゃんは犯行に気付かないと確信して家を漁る……。これが、どうしても想像し難いシチュエーションです。

だから、知らなかったか、知っていて逃げたけど戻ってきた、と考えることになります。


この事件は、犯人の意図を考えると矛盾することが多いです。

金目当てだとしたらなぜ年末年始なのか?

死刑当確なのに、処理する時間は充分にあったのに、なぜ指紋やDNAなどをありったけ残したのか?


しかし、現実は推理小説ではないので、あまり犯人の行動に一貫性を期待するのも難しいのかなと思います。


僕としては、素直ベースで事実を考えていきたいと思います。

つまり、自然な選択肢を素直に考える。


隣家を知ってたら逃げるに決まってるんだから、逃げたか、或いは知らなかったんだろう。

キャッシュカードを物色してたなら、金目当てだろう。

現場付近で目撃された男は、事件関係者だろう。

軍隊歩きをして、DNAが韓国人に多い型で、韓国製の靴を履いているなら韓国人だろう。

24年間捕まってないなら、もう死んでるんだろう。


このようにストレートに考える。

しかし、全部ストレートだと事実が矛盾するので、矛盾を抑える変化パターンを最小限に考える。

そういう風に考察していければと思います。


今やろうと考えていることは、警察発表や報道のタイムテーブル作成です。

次回は、家の裏から見て二世帯住宅と分かるのか、また、一旦逃げ出して帰ってきたという説を検討します。


次回 一軒の家とは思えない



最後に。

警視庁では2024年現在でも特別捜査本部を置き、懸命に捜査を続けています。か細い糸をひとつひとつ辿っているものと思われます。

2000年前後の記憶から、思い当たるフシはないか、ぜひ考えてみてください。あなたの細い糸が解決に結びつくかもしれません。

以下、警視庁の特設ページです。様々な情報や写真がありますので、参考になさってください。

よろしくお願いします。


上祖師谷三丁目4人強盗殺害事件


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