連作『本郷を歩く』第二回
本郷二丁目はこの区域。
左側は一丁目、右側は三丁目。壱岐坂で南北に分断されている。
本郷二丁目で最大の名所といえば、「かねやす」のビルだろう。江戸時代、この「かねやす」までが「江戸」だったという。その名残がビル一階のシャッターに遺されているのは、まあ風情がある。
東大生的には、この「本郷三丁目交差点」は、無数に通った「通学路」である。本郷三丁目駅とキャンパスが対角にあるので、信号を二回渡る必要があることがネックではある。東西方向に関しては、赤門前の信号を渡るというライフハックもあるけど。
ちなみにこの交差点は右折禁止。たまに強引に右折しようとして顰蹙を買っている車を見ることができる。目の前に交番があるのに、ようやるわと思う。
(丸の内線の)本郷三丁目駅は、実は本郷二丁目にあるんです!なんて、東大生には鉄板トークだろうか。この連載を始めた当初から、このネタは絶対書こうと決めていた。
筆者は丸の内線にしこたま乗っている。丸の内線を乗りこなせたら一等の都民になれるだろう、というのが持論。
ちなみに丸の内線本三駅は乗降人員がクッソ少なく、39382人/日。メトロ全130駅中77位。これで少ない方なのか……(実家の最寄駅が約2000人/日並の感想)。一応大江戸線との乗換駅にもかかわらず、単独駅の西新宿や茗荷谷より少ない。しかし、丸の内線と大江戸線は直通乗換ができないことに鑑みれば、実質単独駅と言っても良いかもしらん。
余談ながら、東京メトロで一番乗降客数が少ない駅は・・・南北線・西ケ原駅(8523人/日)である。どこ?
本郷三丁目駅について、地下鉄サリン事件の舞台の一つであることを語りたい。
1995年3月20日、霞ヶ関駅を経由する営団地下鉄の路線にサリンが撒かれたことは、説明するまでもない。
オウム真理教の幹部・横山真人。ホーリーネームはヴァジラ・ヴァッリィヤという。横山は丸の内線の5号車に乗り、四ツ谷駅で袋に穴を開け、サリンを散布した。穴の開け方が中途半端だったため横山の車両では死者は出なかったが、しかし死刑となり、執行もされている。
列車は四ツ谷駅から終点・池袋に到着した。惜しむらくは、なぜかこの際に遺留物確認が為されなかったことである。列車はサリンを積載したまま折り返すこととなった。
8時40分頃、後楽園駅発車後に乗客から異臭の申し出があった。8時43分、次駅に到着後、駅係員がサリンの入った袋を「ホウキとチリ取り」で車外に取り出す。その舞台が、本郷三丁目駅であった。
幸いにも、本郷三丁目駅での被害は比較的少なく、重傷者も出なかったらしい。サリンを屋外に置き、立入禁止区域を広くとったことが幸いしたという。筆者の通学路は歴史的事件の舞台であった。
そんな本三駅の近くにあるのが、このイタい看板。イタすぎて涙が出てくる。ヨギボーだけ用意することが面白いという感受性を恥ずかしげもなく開陳しているのが哀愁を誘う。松丸亮吾みたい。
でも、松丸亮吾が大衆に人気があることに鑑みれば、この哀しき看板も広告効果を発揮しているのかもしれない。東大生の中にも、これに感化される人もいるのかもしれない。
その向かい側には、翻って上品な喫茶店がある。
「こういうのでいいんだよ。」なんて言いながら、今まで一回も入ったことがない。そもそも筆者には喫茶店に入るという習慣がない。お金が勿体無いからだ。
この考え方は人生を損している可能性があることに最近気付いてきた。しかし、自分のライフスタイルを顧みて、喫茶店に入ることで効用が得られるタイミングというものが見当たらない。世の人々はそんなに出先で時間が空くことがあるのだろうか。
不思議で仕方ないが、ともかく、こういうのは向き不向きというものだ。得られる効用が小さい喫茶店にしゃぶりつくより、限界効用が逓減しない丸亀製麺に通った方が良いことだってあるのだ。
とは言いつつ、喫茶店は好きである。経営したいくらいだ。
客として行くのはどうも思わんが、経営はしたい。そういう感じの方が、案外向いているのかもしらん。
ともかく、せっかくこのブログを書いているのだから、行ってみることにした。公務員試験の勉強を頑張って良かったことに、限界効用の考え方を手に入れたことがある。高いコーヒーも、初回だったら限界効用が最大だから飲んでいられる、ということだ。
高いコーヒーとは書いたが、アメリカンは300円である。味の違いが分かるほどコーヒーを飲んでないのでアメリカンでもイタリアンでもいいのだが、ともかく副流煙まみれの地下喫茶店でほどよい時間を過ごした。看板に「名曲・珈琲」とある通り、クラシックが延々と流れていた。
肺がんのリスクを高めたところで、国道17号を南下する。写真は別の日になんとなく撮ったもの。ここのドトールは鰻の寝所で、中が非常に広い。ここの思い出といえば、そう、共通テストカンニング事件の時、オマヌケ東大生(21)として取材を受けたのがこのドトールだった。あの時は大変だった。いろんな新聞社やメディアからDMが届いたが、まあ、政治的スタンスがまともだと思っているので読売新聞の取材を受けた。箱根駅伝が好きだしね。
ドトールでは記者二人と色々話したが、その一人は昨年まで皇室担当で、小室圭のケツを追っかけ回していたと言っていた。それしか覚えていない。
近くにある松屋は、本郷二丁目所在にもかかわらず「本郷三丁目店」。ドトールもそう。
検索してみると、こんなに偽「本郷三丁目店」があった。写真右下が正式な「本郷三丁目」である。考えてみれば、「本郷三丁目交差点」だって、2・3・4丁目の境界上に位置するわけで、三丁目を名乗るのは不適当である。
なぜこんなに偽「本郷三丁目店」があるかといえば、当然ながら東京メトロの駅名がそれだからである。ではなぜそれがそうなのかといえば、都電時代にそう名乗っていたからだそうだ。「本郷駅」では少し広すぎるということか。
壱岐坂の交差点に、珍しい道路標識があった。青白が反転したものならよくあるけど、これは珍しい。都内にはまれにあるが、地方にはほとんど無い印象。これは『左折可』で、前方赤信号でも常時左折してよいことを示す。先般、車校(関東では「教習所」と呼ぶらしい)でペーパードライバー講習を受けた折、レア標識話に華が咲いたことを思い出す。
これはフクダ電子の本社。医療機器の製造販売を行う企業で、心電計とか、AEDとか。J2・ジェフユナイテッド市原・千葉の本拠地はフクダ電子アリーナである。
順天堂大学。順天堂といえば、箱根駅伝と医学部だろう。
箱根駅伝の成績は5→11→8→14→7。シード圏常連の強豪校と言えるだろう。2007年には往・復で優勝する完全優勝を成し遂げている。医学部の話は三丁目編で。
東京都水道歴史館。入場無料。そこそこ面白かったが、そこまで面白いわけではなかった。裏手には本郷給水所公苑という風光明媚な癒しスポットがある。この界隈は順天堂の医学部生が彷徨いているので、癪に障るがご愛嬌。
二丁目は以上。本三駅について喋りすぎたけど、まあよかろ。三丁目も踏破済みなのでお楽しみに〜
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