2022年10月9日日曜日

猿でも分かるオッズの決まり方(パリミュチュエル方式)

今回はわかりやすさの為、JRA(中央競馬)の「単勝」馬券に限定して記述します。

日本では原則「パリミュチュエル方式」によって賭け事が行われています。

これは、売上全体から主催者の取り分を「控除」し、残ったお金を的中者に配当するというものです。

この方式の特徴は、購入時点でオッズが定まっていないことです。当たり前すぎて「特徴」と言われると可笑しいかもしれませんが、結構重要ですよ。

さて。主催者の取り分割合である「控除率」は主催者や賭け式ごとに決まっており、JRAの単勝馬券では20%です。

つまり、JRAのあるレースに1000万円の売上(馬券購入額合計)があったとすると、そのうち20%にあたる200万円はJRAが持っていき、残りの800万円を的中者に分配します。

 

今回はその分配方法について簡単に解説したいと思います。

2頭立てのレースを仮定します。(現実には起こり難く、中央競馬での2頭立レースは1979年まで遡ります。)

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このレースの単勝馬券を考えます。

最終的に、①が500万円、②が500万円売れ、合計で1000万円売り上げました。200万円を差し引き、800万円を分配します。

すると、オッズはこうなります。

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1.6

1.6

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なぜ1.6なのか分かりますか?分かる方は以下を読み飛ばしてください。

 

分かりにくいですよね。

簡単な考え方として、それぞれの馬券購入者が1人だけだと考えると良いでしょう。

ある人が①を500万円分購入し、①が勝ちました。その人はレースの売上から控除した800万円を独占します。

つまり、500万円分買って800万円が手に入るわけです。お金は何倍増えていますか?1.6倍というわけです。

 

では、練習問題。

2頭立てレースで、①が600万円、②が400万円売れたらオッズはどうなりますか?

重要なのは、オッズの10円未満部分は切り捨て=JRAの儲けです。

 

 

 

 

 

 

 

正解は、

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1.3

2.0

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です。①は800/600=1.3333…なのですが、少数第2位以下は切り捨てるため、1.3となります。

だから、もし①が勝った場合、JRA600万円の1.3倍を払い戻すため、780万円を払い戻せば済みます。JRA800万円との差額の20万円が余分に儲けというわけです。

一方、②が勝った場合は400万円に対して2倍を払い戻すため、800万円の払い戻しとなり、JRAの余分な儲けは出ません。

 

JRAはズルい?では、もっと極端にしてみましょう。

2頭立てレースで、①が800万円、②が200万円売れたらどうなるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

正解は、

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1.1

4.0

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②は分かるでしょう。200万円で800万円貰えるから4倍です。

では①は?800万円で800万円貰うから1.0倍じゃないの?

これが、「JRAプラス10」というものです。

 

先述した通り、パリミュチュエル方式では買った時点でオッズが分かりません。

ですから、単勝2倍の馬券を買ってレースを観戦し、勝って喜んでいたら最終オッズが1.0倍だった、みたいなこともあり得るわけです。

こんなの、暴動起きますよね。少なくとも、良い競馬体験とは言い難いです。

そこで、JRAが損をしないギリギリまで「1.1倍」を維持してくれることになっています。これがJRAプラス10です。

 

今回は、①が勝った場合、JRA800万円の1.1倍で880万円を払い戻すことになります。JRAの実質控除率は12%となるわけです。

自分の儲けを削っているわけですから、JRAは全然ズルくないですね。

 

もっとも、

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注記:投票法ごとの「払戻金総額」と、「上乗せすべき金額の総額」の合計が「売得金の総額」を超える場合には、競馬法附則第5条第3項の規定により、「100円元返し」となります(この場合には、オッズ、払戻金は「1.0倍」「100円」で表示いたします。)

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なんですけどね。

 

とまあこんな感じです。よく考えたら知る必要ない話でしたのでもうやめます。アジャシター

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