-今は、もうない-
平成26年9月28日
9月28日。残暑が残り、夏の名残を肌で感じる暖かな日曜日だった。
僕はほんの気まぐれで、ちょっとした探索に出掛けた。目的は、鶴崎駅から伸びていたという『九州石油専用線』の廃線跡を巡ることだ。
かつての国鉄時代は貨物が盛んで、北九州の方では多くの貨物メインの路線が建設されたと聞く。
しかしエネルギー革命により石炭産業は衰退の一途を辿り、各地の貨物路線も続々と廃止。現在に至る。
その煽りかどうか詳細は不明だが、目的の鶴崎駅の貨物取扱も1997年の最終運行を最後に終焉を迎えた。
今でも登記上はJR貨物の臨時取扱駅になってはいるものの、貨物列車の発着は無い……。
僕は昼間の豊州路の主役、815系に乗って鶴崎駅に向かった。列車を降り、見えるものはかつての貨物線。貨物設備は今日でも駅構内北側に残されている。しかし随分と使われてないらしく、レールが変色していた。ひょっとすると、錆びているのかもしれない。
それを見た後、駅を出る。かつての貨物線を巡りに行こう。
駅を出て東へ進み、現役線路の下をくぐるとその遺構は見えてくる。まず、そのくぐった線路の隣に専用線があるのだ。しかも、まだレールが残っている。登ったりするのは危険だが、風情を感じる。隣の線路を列車が行き交う中、見向きもされない錆びたレール……。
廃線が通っていたルートを辿ってしばらく歩くと、進行方向右手に空き地が見えてくる。そして、多分ここが一番『九州石油大分製油所専用線』を感じることの出来る場所だと思う。
そこかしこに点在する、確かにここに『列車が走っていた』ことを示す遺構の数々。
そして、誰にも見向きもされずに撤去される日を待つレール。
僕が訪れた時、この場所は相当量の草に覆われていた。お陰でレールが発見しづらかった。風化し、0kmポストもボロボロになっていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿