「今、この海を越えて潮騒に会いたい」
豊予海峡ルートの早期実現を!
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「豊予海峡ルート」は、大分県と愛媛県を隔てる約14キロメートルの豊予海峡に、道路や鉄道を、トンネルや橋梁で結ぶ計画である。
「日本のいわゆる「主要4島」のうち、近接していながらトンネルや橋が無いのは九州・四国間のみである。豊予地域を橋梁やトンネルで接続することは、新たな交流を生み、地域経済の活性化に繋がる。こうしたインフラ投資を加速させることが衰退する日本の未来を切り拓き、豊予海峡ルートがその象徴たるべきである。」
以上がこのブログの見解であり、豊予海峡ルートが繋がるその日まで更新し続けたい。
今回は概要ということで、周辺の地理やルートの経緯、参考文献など基本情報を示す。
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◯豊予海峡ルートのメリット
・大分47万と松山50万が繋がり、100万人規模の全く新たな経済圏ができる。
・大分が関西や関東と短距離で繋がり、経済発展に資する。
・四国が「行き止まり」ではなくなり、物流や周遊観光など新たな経済活動が生じる。
・大災害発生時において、関門海峡等の代替交通路としての機能を発揮できる。
・広域移動が可能な「住みやすい地方」が実現する。移住が促進される。
・新たな大規模土木事業を行うことで、日本の技術力の維持・向上が達成される。
・伊方原発災害時の佐田岬半島住民の避難経路が確保できる。
・新幹線の場合、大分から松山への移動が現在の238分から38分へと大幅に短縮される。
・新幹線の場合、厄介な並行在来線問題がほとんど存在しない。
◯読み方
豊予海峡:ほうよかいきょう
佐賀関:さがのせき
関崎:せきざき
佐田岬:さだみさき
伊予灘:いよなだ
伊方町:いかたちょう
◯地理
周辺の海はこのような名前となっている。
豊予海峡と豊後水道について、日本大百科全書を引用する。太字は筆者による。
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豊予海峡
瀬戸内海の南西部、愛媛県佐田岬と大分県佐賀関半島関崎との間の海峡。海峡間は約16キロメートル。速吸瀬戸ともいう。北の伊予灘と南の豊後水道の境界にあたるため豊予海峡という。関崎寄りに高島、牛島があり、この両島と佐田岬間の水深は最大地点で140メートルであるが、海峡の南北にはそれぞれ深度300~400メートルの二つの海釜がある。この海釜は付近の激しい潮流による侵食で形成されたものと考えられる。潮流の速さは漲潮時最大6ノット、逆潮時5ノットである。海峡は瀬戸内海と外洋を結ぶ主要航路にあたり、タンカー、フェリーなどの大型船舶の航行が多い。海峡一帯は穏顕岩礁や海食崖の景観に優れ、瀬戸内海国立公園域になっている。[深石一夫]
豊後水道
九州の豊後と四国の伊予を分かつ海域。北口は愛媛県佐田岬と大分県関崎の間の速吸瀬戸(豊予海峡)、南口は愛媛県高茂岬と大分県鶴御崎の間で、東西約50キロメートル、南北約40キロメートル。一般に深く、中央部で80~90メートル、速吸瀬戸南東方の海釜(深い窪地)は300メートルを超える。両岸は四国山地と九州山地が終わる所で、典型的なリアス式海岸をなし、岬と入り江が交互するなかに、東側に日振島、戸島、西側に高島、無垢島、保戸島、大入島、大島などの島々がある。入り江の奥には、東側に八幡浜、宇和島、西側に臼杵、津久見、佐伯などの都市が発達している。マグロ、カジキ、カツオ、イワシ、アジ、サバなどの外海性魚類、タイ、カレイ、ヒラメ、イカ、エビなどの内海性魚類、その他の水産動物が豊富で、水産業が盛んである。入り江では真珠、真珠母貝、ブリの養殖も盛ん。農業は、米作のほか、柑橘類栽培、牛・豚飼育が主である。[兼子俊一]
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なお、豊予海峡の距離について媒体ごとにブレがある。とりあえずGoogleマップの「距離測定」機能で測ってみたところ、以下のように、約13.5kmという数字を得た。約14kmという数字が妥当か。
◯ルートの経緯
1965年
ワイズマン報告で「第二東西道路構想」提案
1969年
新全国総合開発計画(九州四国連絡新幹線鉄道および九州四国連絡自動車道の建設構想が明記)
1973年
四国新幹線・東九州新幹線等が基本計画線に決定
1993年
県や経済団体なのでつくる豊予海峡ルート推進協議会が設立
1998年
21世紀の国土のグランドデザイン閣議決定/多軸型国土形成を提唱
〜2002年
6期24年に亘る平松県政において、豊予海峡ルートは大いに推進されていた。
平松氏は豊予海峡ルートの早期実現を再重点要望に掲げており、県は1995年度から2002年度までの間に調査費約2億7千万円・啓発費約1億2千万円をつぎ込んできた。
2003年
広瀬勝貞氏が大分県知事に初当選
就任会見で豊予海峡ルート構想の断念を表明
2008年
豊予海峡ルートを含む全国6つの「海峡横断プロジェクト」が凍結
2009年
民主党政権発足。「コンクリートから人へ」のもと公共事業削減
2012年
自民党が国土強靭化を訴え政権復帰
2013年
豊予海峡ルートを推進する「新国土軸九州・四国トンネル建設議員連盟」結成
2014年
広瀬知事が県議会で豊予海峡ルートの再検討を示唆
2015年
豊予海峡ルートを推進する佐藤樹一郎氏が大分市長に初当選
大分市が初めて豊予海峡ルートに予算計上
2016年
大分市が海底新幹線で約6800億円かかる試算を発表
2017年
国が2008年に凍結された「海峡横断プロジェクト」の調査を補助
2018年
大分市が豊予新幹線の黒字試算を発表
2022年
大分市が豊予海峡ルート費用について3900億円で可能と発表
2022年現在は、00年代に消えかけた火が勢いを取り戻している状況にある。
詳細な時系列は今後順次追加予定。
◯参考文献
大分市ホームページ「豊予海峡ルートに関する情報」
・「子どもたちに残す、強く新しい日本のために。豊予海峡ルート推進に関する論集」を作成しました。
・「大分市豊予海峡ルート調査業務【2016〜2020年度調査】」の結果についてお知らせします。
大分市以外はネット上に碌な情報が無い。
順次追加予定。
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このブログでは、豊予海峡ルートに関する新着情報・豊予地方の歴史・他地域との比較・現状などについて扱っていくつもりです。
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