福岡方面の越境路線は各地に7路線と、賑やかなものであった。
翻って熊本・宮崎方面には僅かに1路線あるのみである。
その差異について考えるために、大分県境を挟んで位置する市町村について地図を作成した。人口が多いほど赤が濃ゆく、少ないほど青が濃ゆい。色が薄いほど中位程度である、ということを意味する。また、市については市役所の所在地を◎で示した。市役所を人口集中地域と考えて差し支えない。
この図からは、次のようなことが言える。
・中津-豊前は非常に近接しており、越境バスが往来するのも納得できる。
・日田-うきは・朝倉もかなり近接しており、越境バスこそ少ないが久大本線の往来がある。越境バスが少ないのは、日田市の反対側に人口30万の久留米市がありそちらに吸引されるためであろう。
この観点からは、豊前市にとって中津市の反対側の大都市・行橋はかなり遠く中津と同規模なために、豊前市は中津市に引き寄せられることが分かる。
・熊本県小国地域は、産山村や玖珠町・九重町とともに濃青の人口希薄地帯を形成している。これでは国鉄宮原線の廃線もやむなしといったところだろう。日田市中心部とも遠い。
・竹田-阿蘇間は二桁国道たる国道57号が走っており一定の往来はありそうに思えたが、竹田市の中心は豊後大野側に寄っており、阿蘇市中心部との直線距離は25km程度ある。人口も少ないため、往来が少ない。
・宮崎県境について。県境隣接市町村の中心はいずれも県境の反対側に寄っており、県境地帯の九州山地が険しいことが分かる。延岡市の人口が12万もあることには驚いたが、佐伯市中心との直線距離は45kmもあり、往来が多いわけがない。
このような考察から、大分県境の地域別の特色が見えてくる。
唯一あるバス路線が、日田市を縦断して県境の杖立温泉まで行く日田バス杖立線である。杖立温泉にも着目した記事を書きたいと思う。
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