2021年10月28日木曜日

牝馬をダートで消したくて消したくて仕方がない

 題名通り。

前回で牝馬は馬体重に関係なくダートで走りにくいことが分かりました。

では、具体的にどのような条件で、より走りにくいのでしょうか?

①距離

通説では、中距離以上はスタミナがもたないと言います。

データは過去3年の中央競馬のダート全レースで、各々の距離について牡馬の複勝率から牝馬の複勝率を引きました。差が大きいほど、牝馬が苦手であるということです。

(補足:当該距離のレースが施行される競馬場ごとにフルゲート頭数が異なり、またマイナーな距離は出走馬が集まらないため、複勝率それ自体を見ることには意味がないため載せていません)

くっきり差が出ました。牝馬は1900m以上が苦手です!
とはいえ、1900m以上のレースなんて数が少ないです。上級条件でしょう。
次に、サンプルを1800m以下のダートレースに絞り、競馬場別で成績を見ます。


基本的に直線で坂があるコースで牝馬は弱いようです。特に中山・阪神は消せますね。


2021年10月25日月曜日

阪神競馬回顧 全場踏破4場目

 10月24日、菊花賞デーの仁川に僕はいました。

前日夕方の飛行機で伊丹に。空港には菊花賞のチケットを取ってくれた友人が待ち構えており、僕はなすがまま梅田に連行され、相応に呑まされました。土手焼きが美味しかったです。

友人宅で一泊。朝早くに叩き起こされて一レース目から仁川に向かいました。

秋風爽やかな阪神競馬場、優駿たちが懸命に駆け抜け、残ったものは......

死屍累々の勝馬投票券でした。ま〜〜じで何も当たらなかった。1-2-4人気決着の三連複が当たって350円返ってきただけだし、なんならそのレースで僕はその4番人気を切ろうとしたところ友人に諌められ紐で残しただけです。実質全敗です。

ですが、多くの知見を得られたようにも思います。気になったレースの回顧をしながら、皆さんと一緒に復習をしていきたいと思います。分かるように書くので、ぜひ、しばしお付き合いを。東大生のレース回顧ですよ。


2021年4回6日阪神5レース メイクデビュー阪神 1800m右・外

注目は断然人気⑦リアド。ノーザンファーム生産のディープ産駒で、5億760万円で取引された高額馬。パドックでも時折「写真を撮っておけ、将来のG1ホースだぞ」と囁きが聞こえるほどでした。

自分の予想も大体人気順通り。新馬戦だから堅く決着するだろうという予想です。買ったのが以下の三連複。三列目に不要な7があってマークシートが下手くそなのが分かりますね。

本当はリアド2着の馬単やリアドを抜いた馬連を買っておきたかったのですが、4レースで手痛く負けたこともあり、500円で我慢。今思えば、リアドがG1ホースになることを見据えて単勝馬券買って保存しておけば、入場制限中であることも踏まえればプレミア馬券としてメルカリで売り捌けたかもしれませんが、それはまた別の話。

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スタートしました。2番人気・①アルファヒディが出遅れ。スタートから飛ばしていったのは⑥トルナヴァ・デムーロ⑩タケトンボ・角田。珍しくスタートを決めた⑥のデムーロは、馬なりにどんどん進む⑩をチラッと見て手綱を抑え、番手で競馬をする判断。その後ろに②インパクトベースン・鮫島、1番人気⑦リヤドの福永が4番手で続きます。その後ろに③⑤⑧の中穴が横一列で連なり、④⑨が続いて最後方に2番人気①アルファヒディ・ルメール。

3コーナー地点:⑩-⑥②⑦(③⑧)⑤⑨④①

3コーナーの頃には⑩タケトンボがシンガリ人気を活かした大逃げで5,6馬身をリード。1000m通過は60秒9です。

前日の阪神2歳未勝利戦の1000m通過は59.8秒(レース時計は0.4秒未勝利戦の方が速い)でしたから、スローペースで逃げていることが分かります。

4コーナー手前でリアドが進出開始。⑩タケトンボはリードを保ったまま直線を迎えます。

⑩の角田くんは鞭を入れ、粘り込みたい。残り1ハロンで⑥と⑦の上位人気が⑩を交わして追い比べですが、後続が伸びてこない。9番人気②インパクトベースンが後ろから迫る。そのまま⑦リアドが楽に抜け出しゴールイン。僕はもうタケトンボなんか最後方に落ちていったと思って、リアドの写真ばかり撮っているわけです。2着⑥トルナヴァ。ここまでは予想完璧。3着は写真判定、⑩タケトンボか②インパクトベースンか。あれれ????何買ったっけ???

結局、写真判定の結果⑩タケトンボが217.8倍の人気を覆す3着逃げ残り。4着もブービー人気です。完全にハズレました。

では、予想過程の反省と好走の要因分析、次走の展望を見ていきたいと思います。

⑩タケトンボは僕は即消ししました。友人とパドックを見ながら簡単に消しました。エイシンフラッシュは気性が荒い産駒を出しやすく、牝馬なら尚更。それでいて社台系の生産でもない。気性難は見え見えだ!200倍だし!消し消し!というわけです。

バカです。主な消し要素が気性難なのだったら、パドックを見て判断すれば良いのに全然見てませんでした。さらに大外枠ですから、ゲートでは気性は問題ないでしょう

そして、何より、大外枠のシンガリ人気に軽量騎手が乗ったら、やることは一つでしょう。逃げです。その日の角田くんは第2レースで後方からの競馬をして4番人気を2着に持ってくる活躍をしていました。さらに、第1レースでも負けはしたものの逃げをキメていました。1レースでの敗因はペースがスローにならなかったことや、使い詰めでしょうか。ともかく、「その日2着して、さらに奇数番から逃げれてもいる減量騎手」が10番人気の大外枠の人気薄に乗るのですから、紐に入れるのが筋だったでしょう。新馬戦はただでさえスローになりやすいのだからますます推せるはずです。

ですから、タケトンボは次のレースでは絶対に切れるのです。今回の3着だって所詮10頭立てですし、アルファヒディが出遅れてなかったら上がり33.5秒使っているのだから勝ってるでしょう。

今回は、人気薄で大外枠でスローペースで人気馬が出遅れてようやく3着です。逃げただけで競馬はしてません。次の2歳未勝利戦でどれだけ人気になるのかは経験が少ないために分かりませんが、今から消して儲けるのが楽しみです。

......という風に、一頭の馬を消すというのはこれほどに大変なことなんだなぁと思い知ったわけです。さらに、いくら小頭数とはいえ現地でこういった予想をこなすのは無理です。ある程度アタリをつけておく必要があります。

ついでに②インパクトベースンの回顧も。これは確かジョッキーで消しました。鮫島克駿騎手は同コースで0-1-2-45で複勝回収率26%の、このコースにおけるド下手くそです。

馬のリズムを大切にするタイプのジョッキーなのですが、今回は内側のデムーロが出遅れたことですっと塞ぐように馬が上がっていって、外からも別に誰も競りかけてこなかったので前めにつけられて、結果スローペースでそれが良かったという展開論ではないでしょうか。


え?菊花賞?なんすかそれ

まぁレッドジェネシスのパドック見にいっとけば評価落とせたかもしれんが、外ラチ沿いにカメラ構えていたので仕方ない。この話はやめにしよう。

2021年10月21日木曜日

牝馬はダートで走らない?

牝馬はダートで距離を走る体力が足りないから割引、逆に芝では足抜きが良く走れるから加点。

理屈は分かるし、実際データはこれを裏付けている。

だが待ってほしい。性別が本当の要因なのか?

牝馬は牡馬よりも馬体重が小さい馬が多いから、全体で統計を取るとそのような傾向が見えるだけではないのか!?

じゃあ馬体重別に牡馬と牝馬の好走率を比べたらハッキリする。はいドン。

データ:中央競馬過去五年ダート戦
馬体重牡馬複勝率牝馬複勝率
    ~399kg3.60%1.70%
 400~419kg8.10%8.80%
 420~439kg14.80%13.60%
 440~459kg19.40%17.80%
 460~479kg22.00%19.80%
 480~499kg23.50%21.80%
 500~519kg24.50%21.10%
 520~539kg24.10%23.40%
 540~21.90%26.20%
※騸馬は牡馬に含む

やっぱり牝馬はダートで走らない。完


実際どうしてでしょう。馬体重には現れない肺活量などで差が出るんでしょうか。そもそも気性が荒く好走率が若干低めに出るのもありそうですが......。

とはいえ、せっかくのデータを活用しましょう。

サンプルが多い420kg以上539kg未満では牡馬の方が2%ほど好走率が高いです。過去五年ですから有意でしょう。

一番走る馬体重帯は480kg以上539kg未満です。500kgの牡馬は439kgの牝馬の約2倍走ります

ですが同時に、500kgの牝馬は439kgの牡馬の1.5倍走るわけです。

ですから、ダートで牡馬・牝馬を考える際に、

「牝馬だから走らない」も妥当ではありますが、その牝馬がしっかり体重があるのなら、割引くまでもないと思います。逆に、牡馬でも420kgであるならば割引きましょう。

一方で、牝馬であることを気性面と結びつける場合は割り引くと良いでしょう。


2021年10月20日水曜日

遠流ソロキャン

迂闊にも『天国の島』に迷い込んだ僕がやっと本土へ戻った頃には、なんと外の世界は数百年が経過しており、その島が実は光速で移動していたことを知ったのだった......という話ではなく、島で不慣れなソロキャンをしたら帰れなくなったという話です。


天売島。
北海道の島、というとなんとなくプーチンが上陸していそうですが、それはオホーツク海側の話。天売島は日本海側に浮かぶ小さな島です。
2021年の夏、暇を持て余した学生たる自分は「原付で北海道を一周しなければ、よい大人になれない」をモットーに、苫小牧に上陸したのち脇目もふらず札幌競馬場を経由しつつ北海道一周を試みました。
「じゃあなんで島なんかに行っているんだ、脇目もいいところではないか」と仰るのはごもっともですが、実は天売島とは因縁があったのです。昔むかし、2019年年末、大学一回生の頃に北海道鉄道旅行を敢行したのですが、その際いたいけな僕は天売島にも行こうと旅館に電話をかけたのです。が、「冬場はやってないんだよね。フェリーも大体欠航するし、夏の方がいいよ」と無下にも程があるくらい無下に断られました。『雪にまみれた最果ての島』が良いのではないか!欠航上等!なんて思いましたが、旅行中に旅行直後の中国語試験の勉強をする程には予定が詰まっていた情けない男でしたので、その際は断念しました。
今回は「ならば夏に来たぞ!」ということです。「天売島リベンジ」ということです。
前述しましたし後述もしますが、夏でもフェリーは欠航します。


羽幌港からおよそ2時間、焼尻島を経由して天売島に向かいます。僕は船酔いをしたことがなかったのですが、なにせ風と波を遮るものがない外海・日本海を小さいフェリーで向かうわけですから、初めて死ぬほど船酔いしました。当時の僕に出来たことは、ただ情けなく床に身体を密着させるようにして寝転び、早く着いてくれと祈るのみ。その姿は下等生物でした。
着いた頃には感動はなく、「この地獄、帰りもあるのか......」とげっそりとした僕。それでも天売島の空は美しく、その空だけでもまぁ来た甲斐はあったかなと思いました。

天売島は『天国の島』です。というのも、かつてこの地に赴任した中学校教諭の佐藤博昭氏が、この島を題材として『天国の島』という曲を作ったそうです。なかなか荒々しい曲でした。ですから、天売島をそう形容することについて「天は分かるけど売はどこに行った」などという野暮なクレームは佐藤氏に送るように。とはいえ、佐藤氏も単に「名前に天が入ってるから、天国の島で!笑」なんてノリではもちろんなく、この島に住まう子供たちの牧歌的な様子や、ウミガラスの国内唯一の繁殖地として海鳥の楽園となっている自然を踏まえてのタイトルでしょう。僕もそう感じました。

さて、ソロキャンです。本土のキャンプ場は緊急事態宣言下ということで大概閉鎖されていましたが、そこは島、おおらかなもので、全然開いているとのことでした。旅人としても、旅館で人と会うよりは接触が避けられるだろうということでキャンプを選択。慣れないソロキャンが始まりました。
キャンプ、どうやら薪が必要らしいという裏情報を聞いたため、留萌のホームセンターで箱買いして来ました。港で受付をし(使用料500円)、丘の上のサイトに設営。さぁ火をつけようという段になって、着火剤が無いことに気付きました。終わった。

今までは友人と一緒で、面倒なことは大概友人がやってくれていたため、一人で何もできない男が生まれました。はてさてどうしよう。着火剤は紙で良いとネットにあったため、今思えば薪の入ったダンボールをちぎって使えばよかったのですが、当時は頭が回らず、貰ったばかりの『天売島観光ガイドマップ』を即刻炙ることでなんとか点火しました。紙の材質が悪かったのか、やけに火が化学的な緑色だった件は気にしないでおきましょう。


薪を割り、焼肉を焼き、一人酒。非常に優雅な時間です。周りに何もない島ですから、星空がとても綺麗に見え、文字通り天を仰ぎました。そして、テントで寝たわけです。

午前3時。爆裂な土砂降りで叩き起こされました。それだけなら良いのですが、雷まで鳴っている。空に開けたキャンプ場、雷がテントに落ちたら死んじゃいます。慌ててスマホだけ持って屋根のある場所に逃げ、結局寝れずに朝を迎えました。

すると、防災無線から定時放送が!羽幌フェリー、朝の便欠航決定!困りましたが、夕方の便は流石に乗れるだろうと思い込んでおり、友人に手紙を書いたり、アマプラで映画を見たりしました。そして12時に放送!欠航!ボケ!


泣きながら港のフェリーターミナルに駆け込み、せめて宿に泊めてくれと受付の人に泣きついて、どうにか崖の上の旅館に泊めてもらいました。優しい宿のお婆さん三人に囲まれ、ご飯はいらないと言ったのに夜と朝におにぎりを持ってきてくれました。もっとも、僕は島の商店で買った酒とカップ麺で豪遊していましたので、幾分気まずかったですが。

碌に寝れていなかったので、昼間から酒を入れて爆睡。起きたら21時頃でした。宿は静かで、時たま窓が光るので外を覗くと、灯台がライトを回していました。窓を開けると潮騒が聴こえます。散々な目にこれまで遭いましたが、まぁその分の旅情はお釣りが要るほど貰ったかなと思いました。

帰りもめちゃくちゃ酔いました。