歩いてきた道には雪除けのシェルタがいくつも連なり、その壁の向こうにもこちらにも何もない世界が広がっていた。ただ貧相な鉄路があり、駅があり、僕がいるだけの世界。白い世界。そうした非日常の世界(重要なのは、その世界は誰かの日常である点だ)に身を委ね、自分を落とし込むために僕は旅をしている、と嬉しくなった。
南幌延駅周辺の散策も済ませたが、全然時間がある。駅ノートを読み、書いていよいよ万策尽きた。満を辞して、ホームやその周りで、初めての雪掻きをしてみた。ホームは誰かが事前にやってくれていたらしく比較的綺麗だったが、それでもなかなかの重労働で、仕事を終える頃には幾分疲れた。
そうしているうちに暗くなった。周囲は深い群青に染まり、踏切の灯りに雪が舞う光景のみが見える。先ほどの茫漠とした世界が一気に縮んでしまい、灯りの届く範囲だけが世界の全てのように感じられた。
南幌延駅周辺の散策も済ませたが、全然時間がある。駅ノートを読み、書いていよいよ万策尽きた。満を辞して、ホームやその周りで、初めての雪掻きをしてみた。ホームは誰かが事前にやってくれていたらしく比較的綺麗だったが、それでもなかなかの重労働で、仕事を終える頃には幾分疲れた。
もう一駅、上幌延駅に歩こうとするも、道は暗くて怖い。それは霊的な怖さでなく、後ろからやってくる車に自分が気付かれず跳ね飛ばされるやもしれぬという物理的な恐怖だった。
上幌延駅で下ろしてもらったものの、なにせ極寒である。このまま一人で黙っていては死ぬと思い、最近よく話していた女友達にLINEで通話した。
結局、列車が40分遅れで到着する頃には僕の身体は凍えていたし、その女友達には学園祭の後に告白してフラれた。
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