天塩川温泉探訪記
2019.12.28
高校2年の頃、年末の北海道を一人で旅した際にここを訪れた。ここに来る前は、北星駅で身も心も雪に閉じ込められそうになり、慌てて列車に乗り込んだ思い出がある。
雪が舞う夜だった。列車は遅れを取り戻そうと、僕が降りた瞬間にドアを閉め発車する。僕は夜独特の旅情を楽しみ、宿に行こうと駅を出た刹那、魅せられることになった。
踏切付属のオレンジ色のライトが闇の世界を切り取り、雪が降りしきる様子が可視化された。しんしんと雪が降る様はまるで無言のオーケストラのようで、遮断桿はさながら指揮棒か。
雪が降っていても、僕は構わず夢中でシャッターを切り続けた。
当時の僕には、その光景が何か、生の意味を知る手掛かりのように思えた。
天塩川温泉では、名の通り天高く雪が降る様を見ながら露天風呂を楽しんだ。最も良い温泉だ。
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