2015年1月9日金曜日

千綿駅(大村線)

千綿駅探訪記

  全国的に知名度は高い方である長崎県。ハウステンボスやグラバー園、浦上天主堂や被爆地としての平和都市、出島等々他県人でも長崎についての情報が溢れ出てくる。ざっと見るとどうも人工物が多い気がする。今回訪れたのはそんな長崎の『自然』が楽しめる駅である。
長崎への道のりはカット。知りたい酔狂な方は『大村線・千綿駅へ征く』までどうぞ。大体このページと似たような事書いてるんでそっち見れば万事解決だと思います。
 さて、先程も書いた通り『長崎』と言えば全国に響く知名度の高い名前である。しかし、長崎県内の地理に話が及ぶとちょっとわからない。無論地名は分かる。出島的ポジションの平戸、バーガーの佐世保、そして県庁所在地長崎、他にも諫早島原松浦など。だが、地理だとどうだろうか。どこがどこだかサッパリ分からない。(少なくとも僕は、だ。)

 だから、大村線と知った時もどこだかわからない。『久大』とか『豊肥』『日豊』とかそういう系のネーミングかな、とも考えたが分からない。
調べると、どうやら大村湾の海岸線に沿った路線だということが分かった。なるほど、海沿いだと良い景色と出会えそうだ。
ところで、問題です。
長崎県と北海道、海岸線はどちらが長いでしょうか!


 正解は北海道。しかし、かなり迷ったに違いない。実際、北海道の数には北方領土を含めての長さなので、北方領土を除くと長崎県が第一位である。
離島の数が全国一であるのと合わせて、本土の海岸線がかなり入り組んでるのが原因であろう。半島がいっぱいある。よくわからないくらいある。それが長崎県。
長崎半島、島原半島…平戸は島なのか…西彼杵半島?なんて読むんだ…といった具合。てんやわんやだ。
 快速シーサイドライナーに乗っても目的地には停車しないため、普通列車(シーサイドライナー塗装)に乗車。紛らわしい。
30分弱列車に揺られると目的地に付く。その名も『千綿』駅!

この駅の魅力はなんといっても圧倒的な海にある。線路を渡ったらすぐに海だ(線路内に立ち入ってはいけません)。これは、線路の向こうに国道を挟んで海がある下灘駅よりも海という点では圧倒的に勝っているのではないだろうか。
改札を出ると数メートル先は海。そこから見渡す大村湾。グレイトヴァケイションである。

残念ながらこの日は天気が優れず分厚い雲が青空を覆い、海もそれに伴って暗い色になっていた。あぁ、無念。
しかし、もう一つ興味深い点があった。駅舎である。無人駅の味わいある古い木造駅舎は、見るものを魅了する。青い駅標もレトロでノスタルディックな雰囲気を漂わせる。潮騒の音に耳をすませると、心も大村湾の様に穏やかになる。





その後は気動車に揺られて帰路に付いたが割愛。

18きっぷポスターの話題でもしよう。
実は喜ばしいことに、平成26年度冬期青春18きっぷのポスターに千綿駅が選ばれた。それを知るのは千綿駅を訪れてから3ヶ月後。万歳三唱だ。写真の構図は海際を通る線路と黄昏の海、空。
キャッチコピーは18時16分 小さな改札をくぐった。 大きな夕日が迎えてくれた。 その一瞬が一生の思い出になる。』
冬の18時16分に空がこんなに明るいかはさておき、この写真、線路の微かな輝きまで計算されており、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』に使われた”絵画の科学”を知った時のような印象に襲われる。
キャッチコピーは時間シリーズ。改札をくぐったらすぐ視界が爽快に広がる具合は、行かなきゃわからない。180度海の大展望で、この駅を表すには、かなり的を射たキャッチコピーだと思う。素晴らしい。
千綿駅では記念してイベントを行うらしい。この景色が永遠に続けば良いな。

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