2014.08.21
夏場の強い日差しを身に浴びながら僕は列車から降りたった。
天瀬町は温泉街であり、鄙びてはいるものの今でも一定の観光客が訪れる。その為、外国人観光客を意識して駅名票にハングルが書いてあるのだ。駅自体の解説をしよう。特急停車駅であり、『ゆふいんの森』『ゆふ』が停車する。その為、業務委託駅であるが1日の乗客数は100人強に留まっている。ホームは島式ホームで駅舎とは構内踏切で連絡している。
駅の真上を国道210号線の高架が通っており、時折トラックの通過音が聴こえる。 駅につながる階段には『ようこそ湯の街あまがせへ』と書かれている通り、駅の構内にはどことなく硫黄の香りが漂っている。
硫黄の香りといえば思いうかべるのは別府である。言わずと知れた全国的温泉地であり、『大分』よりも『別府』の方が知名度がある、というのは周知の事実であろう。中には温泉水を水道に引くというなんともバス浪漫な生活をしている家庭もあるという噂の別府であるが、あの辺りを高速道路で通過すると、誠に硫黄臭い。
車の窓を閉めているなんて関係無い。別段悪い匂いという訳でもないのだが、初めて通過した時には誰かが屁をしたとそれぞれが思うのは当然なくらいの匂いである。是非お試しあれ?
ゆふいんの森が入ってきた。降りたのは数人のみ。片手で数えられる程度だ。
18きっぷを見せて改札を通り、駅舎を出る。
天ヶ瀬駅駅舎は観光情報センタ『天の国プラザ』を併設している。センタの中には誰もおらず、職員がのんびりとくつろいでいた。
駅前に出るとそこは閑散とした温泉街。
いくつも『駅前温泉→』のような色々な温泉の案内板があるが、人影がない。そりゃ平日の昼間というのもあるだろうが…。
すると、駅前のある物に目が止まった。
おぉ、足湯!先ほどの硫黄の匂いはどうやらこれが出どころらしい。早速浸かってみる。熱い!凄く熱い!
それでも時間とともに慣れていくもので、数分後にはのんびりと浸かることが出来た。
近年我が大分県は”おんせん県”と称して全国に積極的にPRを行っている。当初はなんだかんだ批判を受けていたが、確かに大分県の温泉の数には目を見張るものがある。別府をはじめ鉄輪、湯布院、天ヶ瀬、湯平…他にも効能が良いラムネのがある長湯温泉など数多くのバラエティ溢れる温泉たちが貴方を待っている。
一昔前は”一村一品運動”でそれなりの成功を収め地域ブランドを定着させた大分県、次は成功なるか。
実は由布院駅の構内にも足湯があるので、これは今日2回目の足湯である。なんと贅沢であろうか。
足湯から上がり人影のない温泉街の通りを歩くと、左手に川が見えてくる。橋を渡ると、そこには真夏の日本の情景があった。
天ヶ瀬駅は駅としても落ち着いた小春日和のようなのどかさがあるが、街に根ざしているという感じが強い。
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