佐賀関山地について検討する中で、衝撃の誤解に気付いたので記事にする。
それは、「佐賀関半島」がどこを指すかということである。
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「佐賀関半島」(日本大百科事典)
大分県東部、別府湾と臼杵湾を分けるくさび形の半島。大分市域にあたる。愛媛県佐田岬半島とともに瀬戸内海南西部の門戸をつくり、九州―四国間の陸橋をなしている。おもに、蛇紋岩を伴う三波川結晶片岩からなる、標高300~400メートルの樅木山地の地塁で、主農副漁の集落が沿岸に点在し、米麦、ミカンなどをつくる。頸部をJR日豊本線が走り、国道197号と217号が海岸を巡る。先端に近く、漁港と製錬所のある中心地区関がある。佐賀関港と三崎港(愛媛県)との間にフェリーボートが通っている。
「佐賀関町」(角川日本地名大辞典・地誌)
豊後水道に突出する佐賀関半島部に位置して、四国愛媛県の三崎半島と相対する。樅ノ木山(484m)を主峰とする山脈が、やや南にかたよりをみせながら半島を背骨のように東北東〜西南西に走って分水嶺をなす。
「佐賀関半島」(大分百科事典)
地形は早壮年期の開析地塁で、樅木山(484m)を主峰とする樅木山系が分水嶺を成している。
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下線部の記述から、佐賀関半島は次の地図の範囲を指すと考えられる。
しかしながら、筆者はこれまで佐賀関半島を次の範囲だと誤解していた。
なぜこのように誤解したか?それは、誤った地図がずっと「佐賀関半島」のWikipediaに載っていたからであった。(現在は修正済)
誤った地図が示す範囲は「関崎」という岬地名だろう。岬とは、ミニ半島のことである。
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「関崎」(角川日本地名大辞典)
大分市の旧佐賀関町域の東北端にある岬。地蔵崎ともいう。佐賀関半島の先端部にあり,豊予海峡を隔て愛媛県の佐田岬に対する。日豊海岸国定公園のうち。標高40mの突端に関崎灯台(明治34年初点)・関崎展望台・キャンプ場がある。波除け地蔵の名がある地蔵仏があるが,養老年間に役の行者によって安置されてから地蔵崎と呼ばれるようになったという。現在,佐賀関町バスターミナルから関崎観光道路が開かれている。
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山脈と同様に、半島もファジーな自然地名である。
ところで、佐賀関半島の形はなんとなくアフリカのソマリアに似ている。
しかしながら、「大分のソマリア」というと如何せん治安が悪い。ここはひとつ、同地域の異名「アフリカの角」になぞらえて、スケールを大きく「九州の角」とアピールしてみてはどうか。無理か。
ソマリアといえば海賊である。筆者の研究する海賊・藤原純友と佐賀関は実は関係があり、遺称地名も残っている。が、この話はまた別で。
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