-もうひとつ先の駅が見たい-
平成26年12月30日
日本人は古来から行事を楽しむ国民性だ。江戸時代には年中行事という概念が生まれ、今でもそれは脈々と受け継がれている。
そんな中で特に日本人にとって忙しい時期といえば、それは年末年始だろう。
冬将軍が日本列島に寒気を率いてやって来る季節。古来からの行事とは違えど、クリスマスはもうすっかり日本人に染み付いてしまっている。幼子は初めての夜更かしに挑み粉雪舞う夜の空を見つめるが、所詮子供、日付をまたぐ前にはもう夢を見ている。大人はその枕元にひっそりとプレゼントを置く。そして、何を思うだろう。自分がサンタさんになった時、人は大人になるのだと感じるのかもしれない。
そんなロマンチックな25日が過ぎると季節は一気に年末ムード。町中のお洒落なクリスマス・ツリーは門松に姿を変え、神社は準備を始める。そして人々は大掃除を終え、炬燵を囲いながら年を越えるのだ。
長々と文を書いて何が言いたいかというととどのつまり、僕は年末のクソ忙しい時期に旅に出たということである。
12月30日といえば大掃除をする家もあるだろうし、気の早い子供はお年玉の合計を予想で計算し始めて興奮する時期だ。もっとも、正月にその子供は『皮算用』というものを学ぶことになるのだが。
残念ながら初詣は5月ぐらいに行く我が家に年中行事という概念はあまり無く、お年玉も親戚が少ないせいで計算するほど貰えない僕は、悠々と旅立てたのだ。
朝の一番列車で日豊本線、鹿児島本線と乗り継ぎ熊本駅に着いたのは13時前。出発から、6時間以上かかっている。
今回の僕の旅先は、三角線だ。
『三角線』とは『みすみせん』と読み、天草諸島の玄関口『宇土半島』をのんびりと走るローカル線だ。どうしてもさんかくせんと読んでしまうが、この名前は天皇陛下、『みかど』から来ているのだそうだ。『帝→みかど→三角→みすみ』
単純な名前でも案外奥深い由来があるもんだ。こういうのを紐解くのは面白い。
熊本駅構内で繰り広げられるくまモンと妖怪ウォッチの静かな戦争を見届け、路面電車の撮影をしながら時間を潰していると、三角線のホームに列車が入ってきた。
三角線のホームに入ってきたのはキハ31とキハ47の2両編成。三角線のホームは他の主要路線のホームから離れた場所にあるので、悪く言えばオマケ程度の存在、客もあまりいないだろうと踏んでいたので単行列車じゃ無かったことには驚いたが、もっと驚いたことがある。乗客の多さだ。
到着より少し遅れて列車に乗り込むと空席は数えるほど。慌てて座る。しばらくして列車は出発。
三角線に来たのは、秘境駅を訪れるため。
その名を『赤瀬駅』という。
昔、青春18きっぷのポスターに使われていたので知っている方もいるかもしれないが、ともかく僕はそこに行くのである。
有明海を右手に望みながら宇土半島を下り、一旦終着駅である三角駅まで乗車。港の町という雰囲気が漂う。駅の目の前には船乗場があり、天草諸島の玄関口とは言い得て妙だと思った。かといって単なる通過点、中継地点という訳でもなさそうで周りには一定の町が形成されていて情緒ある町だなと感じる。
終着駅と聞くと映画『鉄道員』を思い出す、そんな事を考えながら熊本行きのまたもや2両編成に乗車しいよいよ目的の地へ行く。
先ほどの話になるが、おそらく乗客の8割強は熊本から三角まで完乗の客だと思う。もっと快速あって良いんじゃない?
列車は海沿いを駆け抜け山に入り、トンネルを抜けると、それはある。キハ31車内のバスと同じ設備の掲示板に書かれる『つぎは『赤瀬』』の文字。減速し、いよいよ到着だ。
長いトンネルを抜けると赤瀬駅だった。運転士に青春18きっぷを見せて赤瀬駅に立つ。当然のように乗る者は誰もおらず、しばらくすると列車は走り去っていった。流石秘境駅。
静かな空気が流れ、音は遠くから聴こえる列車の足音と小鳥の囀りしか聴こえない。
こりゃ、wikiの画像に悪戯をしたくなるってもんかな?雰囲気バッチリだもんね。
駅の近くには実は海があったりと話題は尽きないが今回は割愛。
駅の落ち着いた雰囲気を味わっていると、遠くから静寂を打ち砕く列車の音が勢い良く近づいてくる。警告音も鳴る。はて、こんな時間に列車があったかなと思い出す。
カーブを曲がって赤瀬駅を通過していったのは、特急『A列車で行こう』だった。なるほど。
乗客からの異様なモノを見る視線が痛かったが、A列車はすぐにトンネルに突入していった。
そういえば、このトンネルの先はどんなものだったっけ?確か、『石打ダム駅』とか言ったような。ダム駅?ダムに隣接でもしているのか?
この長いトンネルをもう一度抜けて、もうひとつ先の駅が見たい。
18きっぷの心に残るキャッチコピーに感化された僕は予定を変更して、次の列車に飛び乗ったのでありました。
10代は、自由だい。
色々と青春18きっぷのキャッチコピーを使ってみました。
はてさて、春のポスターはどんなもんかな?
単純な名前でも案外奥深い由来があるもんだ。こういうのを紐解くのは面白い。
熊本駅構内で繰り広げられるくまモンと妖怪ウォッチの静かな戦争を見届け、路面電車の撮影をしながら時間を潰していると、三角線のホームに列車が入ってきた。
三角線のホームに入ってきたのはキハ31とキハ47の2両編成。三角線のホームは他の主要路線のホームから離れた場所にあるので、悪く言えばオマケ程度の存在、客もあまりいないだろうと踏んでいたので単行列車じゃ無かったことには驚いたが、もっと驚いたことがある。乗客の多さだ。
到着より少し遅れて列車に乗り込むと空席は数えるほど。慌てて座る。しばらくして列車は出発。
三角線に来たのは、秘境駅を訪れるため。
その名を『赤瀬駅』という。
昔、青春18きっぷのポスターに使われていたので知っている方もいるかもしれないが、ともかく僕はそこに行くのである。
有明海を右手に望みながら宇土半島を下り、一旦終着駅である三角駅まで乗車。港の町という雰囲気が漂う。駅の目の前には船乗場があり、天草諸島の玄関口とは言い得て妙だと思った。かといって単なる通過点、中継地点という訳でもなさそうで周りには一定の町が形成されていて情緒ある町だなと感じる。
終着駅と聞くと映画『鉄道員』を思い出す、そんな事を考えながら熊本行きのまたもや2両編成に乗車しいよいよ目的の地へ行く。
先ほどの話になるが、おそらく乗客の8割強は熊本から三角まで完乗の客だと思う。もっと快速あって良いんじゃない?
列車は海沿いを駆け抜け山に入り、トンネルを抜けると、それはある。キハ31車内のバスと同じ設備の掲示板に書かれる『つぎは『赤瀬』』の文字。減速し、いよいよ到着だ。
長いトンネルを抜けると赤瀬駅だった。運転士に青春18きっぷを見せて赤瀬駅に立つ。当然のように乗る者は誰もおらず、しばらくすると列車は走り去っていった。流石秘境駅。
静かな空気が流れ、音は遠くから聴こえる列車の足音と小鳥の囀りしか聴こえない。
こりゃ、wikiの画像に悪戯をしたくなるってもんかな?雰囲気バッチリだもんね。
駅の近くには実は海があったりと話題は尽きないが今回は割愛。
駅の落ち着いた雰囲気を味わっていると、遠くから静寂を打ち砕く列車の音が勢い良く近づいてくる。警告音も鳴る。はて、こんな時間に列車があったかなと思い出す。
カーブを曲がって赤瀬駅を通過していったのは、特急『A列車で行こう』だった。なるほど。
乗客からの異様なモノを見る視線が痛かったが、A列車はすぐにトンネルに突入していった。
そういえば、このトンネルの先はどんなものだったっけ?確か、『石打ダム駅』とか言ったような。ダム駅?ダムに隣接でもしているのか?
この長いトンネルをもう一度抜けて、もうひとつ先の駅が見たい。
18きっぷの心に残るキャッチコピーに感化された僕は予定を変更して、次の列車に飛び乗ったのでありました。
10代は、自由だい。
色々と青春18きっぷのキャッチコピーを使ってみました。
はてさて、春のポスターはどんなもんかな?
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