イスタンブル新空港は成田空港のように都市から離れていて、僕が着いた朝4時頃でも高速バスが走っていた。1時間弱で市街に到着、イスタンブルの大地を踏みしめたはいいが、周囲には人影がない。東京だったら、いくらかの賑わいがあると思うが、人っ子一人いない。
寂しい街を一人歩く。ホテルに行ってwi-fiを使おうと思うのだが、全然ホテルの場所が分からない。初めのうち、これも経験だ、自動的に街歩きができるぞガハハ、とアホを言って地図を見なかったのが祟り、もはや地図を見ても己の場所が分からない。標識はケマルパシャのおかげでローマ字表記ではあるのだが、如何せんトルコ語なので解せない。同じような道を徘徊し、モスクを見つけてはブルーモスクなどの観光地ではないのかと調べて現在地の特定を試みた。疲れた僕は、親切な通行人の”Can I help you?”を「ちょっと助けてくれない?」という真逆の意に解釈していまい”Soryy, I also have trouble.”と言って足早に去る、などをやらかしもした。
もはや現在地の特定を諦め、昼にはバザールで賑わうだろう小径を一人で下った。そして、この状況を疲れつつ楽しむ僕を発見した。インターネットが使える日本では、もはや迷うことはない。迷ったのは何年振りだろうか。これこそ非日常、海外旅行の醍醐味ではないか。
旅の幸先は最悪かと思われたが、むしろ最高じゃないか。東の空は紅く染まり、屋台ではパンが焼かれ始めた。
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